スーパーボウルのハーフタイムにテレビで流れた
クリント・イーストウッドさんのCMに共和党の一部などから、
「オバマ大統領寄りだ」との批判が上がっています。
ニューヨーク・タイムズなど複数のメディアが報じています。
スポンサーのクライスラーは経営破綻後、オバマ政権の元で公的資金を受けて再建し、業績が急速に回復しています。 それだからなのでしょう、共和党側は「スーパーボウルというお祭りの場で大統領にメガホンを渡したようなものだ」とか、 「オバマ大統領は税金を使って広告まで操作している」とかなどと批判しています。 大統領選の候補者選びが熱を帯びている共和党は神経質になっているようです。 CMでは「後半戦はまさに始まろうとしている」というくだりがありますが、 これをオバマ大統領の再選ととらえる向きもあるようで、共和党の神経を逆なでしているようです。 これに対しイーストウッドさんは「政治的なメッセージは込められていない」と反論しています。 「あくまで米国人の精神や誇り、雇用拡大について話しただけだ」としています。 さらにUSAトゥデーによるとイーストウッドさんは 「私は大統領と何の政治的関係はない。現時点ではどの政治家も支援する気はない」と明言しています。 ホワイトハウスも、報道官が記者会見でCMとの関係を否定しています。こうした騒ぎになるのも、81歳のイーストウッドさんの存在感なのでしょう。 ニューヨーク・ポストの意見欄の記事にこんなくだりがありました。 「イーストウッドに読ませれば何でも重みを持ってしまう。例えば国連で読まれる“無意味な”シリアへの非難でも、 彼に読ませれば、アサドも震え上がるだろう」 CMに対する評価はいろいろあるでしょうが、ダーティーハリーは健在のようです。
<ニューヨーク支局 名村晃一>