米地上波テレビネットワークやケーブル局が2010年第4四半期から11年第3四半期にかけて全国向けに放送したスポーツ番組への広告出稿量が好調に推移していたことが明らかになった。米調査会社ニールセンがこのほど発表した資料によると、スポーツ番組のCM売上高は前年同期比6%増となる109億㌦を記録した。ケーブル局の健闘が著しく、売上全体の37.3%を占めるまでに拡大しているのが特筆される。NFL(プロフットボール・リーグ)やNBA(米プロバスケットボール協会)、さらにはNCAA(全米大学体育協会)主催の人気スポーツ・イベントなどの放送権を高額な契約金を支払い獲得するケーブル局が増え、視聴者を引き付けていることの裏づけだ。
ニールセンによれば、中継番組がますます増えてきており、11年におけるスポーツ番組の中継時間は前年比5%増となる42,500時間にも上ることが分かった。
スポーツ番組の中にあって特にNFL(米プロフットボール・リーグ)主催の中継番組人気が絶好調。広告主にとって「スポンサーしたい番組」の筆頭に挙げられている。NBCネットワークが同期中(11年2月)に放送したNFL王者決定戦『スーパーボウル』の平均視聴者数が米テレビ史上最高記録を塗り替える1億1100万人に達したが、同番組で放送された30秒CM平均料金も当時新記録となる310万㌦に達したことが象徴的。
また、レギュラー番組をみても、人気トップ10中にNBCネットワークが毎週日曜日夜に放送したNFL試合中継番組『サンデー・ナイト・フットボール』が3位にランクされたほか、ケーブル局ではスポーツ専門局ESPNが毎週月曜日夜に放送したNFL中継番組『マンデー・ナイト・フットボール』が常に上位にランクされるほどの人気ぶりだ。ちなみに、広告業界誌アドウィークによれば、サンデー・ナイトの30秒CMには約50万㌦、 マンデー・ナイトは約30万㌦の値がついた。
ニールセンは同期(2010年4Q-11年3Q)に放送されたスポーツ番組をスポンサーした大広告主のリストも発表。4億2350万㌦のCM出稿をした米通信大手AT&Tワイヤレスがトップにランクされた。これにビール・メーカー、アンハイザー・ブッシュ社の低カロリー・ビール「バッド・ライト」が2億1020万㌦、ベライゾン・ワイヤレス2億770万㌦、マクドナルド1億6490万㌦、ディレクTV(米衛星放送最大手)1億6050万㌦、Geico(保険会社)1億5810万㌦、スプリント・ワイヤレス1億4740万㌦、サウスウェスト航空1億4350万㌦ステート・ファーム・インシュランス(保険会社)1億2750万㌦、ミラー・ライト(ビール)1億2660万㌦などと続いた。
<テレビ朝日アメリカ 北清>