スーパーボウル、視聴者数が新記録

米スポーツ界はもとよりテレビ界の最大イベントでもある米ナショナル・フットボール(NFL)の王者決定戦第46回スーパーボウルが25日、インディアナ州インディアナポリスで開催された。アメリカン・カンファレンス(AFC)の覇者ニューヨーク・ジャイアンツとナショナル・カンファレンス(NFC)覇者)ボストン・ペイトリオッツの対戦の模様はNBCネットワークが午後6時半から958分(米東部時間)にわたり全国に放送した。

 

名門チーム通し4年ぶりの激突ということもあってか、NBCの発表によると、平均視聴者数は米テレビ史上最高となる11130万人に達した。これまでの最高記録、昨年のスーパーボウル(Foxネットワーク放送)を30万人上回った。総世帯視聴率は26年ぶりの高視聴率となる46%(シェア71%)を記録した。


試合は、ジャイアンツがペイトリオッツを2117で下し、4年ぶり4度目の王者に就いた。

 

群を抜く高視聴率番組スーパーボウルには世界最高額のCM料金が課せられることでも知られるが、今年は昨年の30CM平均料金310万㌦を大きく上回る350万㌦と史上最高値で取引されたという。NBCは試合開始2ヶ月前にすべてのCM枠が完売したと発表している。番組中には、約70箇所のCM枠が設けられた模様で、単純計算すれば総売上は24500万㌦に達したことになる。

 

スーパーボウルCM活況の原動力となったのが自動車メーカー。2年ぶりとなるトヨタも含め、自動車広告がビールや映画CMを抑え史上最多の出稿量となった。ウォールストリート・ジャーナル紙の調査では、今年はその自動車メーカーのCM内容が「非常に印象的だった」などと視聴者の人気の的にもなったようだ。スーパーボウルは高額な制作費をかけた奇抜なアイディアに富むCMが流されることでも有名。そのためCMを見るためにスーパーボウルのテレビ観戦をする人も少なくないほど。


また、自動車メーカーによる堅調なCM出稿は、経済が好転すると感じる消費者が車の購入に積極姿勢を示すことを感じ取ったもの。経済全体が上向きであることを示すバロメーターとしても受け止められている。


ところで、試合の模様は今年初めてインターネット上で同時配信された。新たな視聴者の確保と違法配信への対抗措置も兼ねているが、「任意のカメラを選ぶことができすっかり堪能した」「気になるデータも試合を見ながらチェックできた」などと肯定的な声が上がった一方で、「配信が放送に比べ1分ほど遅れ、イライラした」などと否定的な声も上がっている。画質については、「テレビに比べても見劣りしなかった」という声がある一方で、「途中で止まったり画質も良くなかった」などと意見が分かれている。回線状況に左右された結果だと思われるが、大勢がアクセスする超人気イベントの動画中継に課題を残したとも言えそうだ。 


なお、来年のスーパーボウルはルイジアナ州のニューオーリンズで開催予定。試合の模様はCBSネットワークが独占放送するが、同社関係者の話では1月中旬の時点ですでに若干数のCM枠に購入予約が入ったいう。料金については公表しないとのスタンスだが、「前年を下回る価格には応じられない」と強気の姿勢だ。

<テレビ朝日アメリカ 北清