マスターズ、8年ぶりの低視聴率

男子ゴルフの今季メジャー第1戦、マスターズ・トーナメントの最終ラウンドが48日、ジョージア州のオーガスタ・ナショナル・ゴルフ・クラブで行われた。試合はババ・ワトソン(米国)がルイ・ウェストヘーゼン(南アフリカ)と同スコアー(通算10アンダー)首位タイで終了。プレーオフを制したワトソン選手がメジャー初優勝を飾った。同選手はスイングコーチなどをつけない自己流を貫く米ゴルフ界異色のプレーヤー。群を抜くドライバー・ショットと大きく曲がって飛んで行く球筋が特徴で多くのファンの心をつかんでいる。(写真:マスターズ優勝後、スポーツ・イラストレイテッド誌の表紙を飾ったワトソン選手)

試合の模様はCBSネットワークが独占放送したが、エキサイティングな試合内容にもかかわらず、ニールセンの速報によれば、世帯視聴率8.1%と過去8年間で最低の結果に終わった。ちなみに、昨年は、米国内では比較的知名度の低い選手が優勝したが同視聴率10.4%と、今年より22%上回っている。


8日は、キリストの復活を記念するキリスト教の祝日「イースター」(復活祭)と重なったため「テレビを見ない人が多かった」、とする見方がある一方で、タイガー・ウッズの不振が大きく響いたとする見方が少なくない。元ワールドランキング・ナンバーワンのウッズ選手は予選は通過したものの、決勝ラウンドでは一度もトップ争いに絡めず、同選手の活躍を期待した多くの視聴者がブラウン管から離れてしまった模様だ。同選手は通算5オーバー、40位と下位の成績に甘んじた。

 

実はウッズ選手は、マスターズの2週間前に開催されたトーナメント「アーノルト・パーマー招待ゴルフ」に出場、ツアー3季ぶりの優勝を果たし、復活への大きな期待がかかっていた。同トーナメントには「久しぶりにタイガーが優勝するかもしれない」と期待を寄せたファンが殺到。全国向けに独占放送したNBCネットワークの中継番組の最終ラウンドの視聴率も同選手が出場しなかった昨年比120%増を記録する活況ぶりだった。

 

ウッズ選手が優勝に絡むトーナメントの視聴率は、絡まないトーナメントに比べ12%高くなるとされているが、今回はウッズ選手の負の効果が現れたともいえそうだ。

 

ところで、注目された日本勢だが、石川遼選手は予選落ち。アマチュアの松山英樹選手(東北福祉大)は通算9オーバー54位と不調だった。 

 <テレビ朝日アメリカ 北清>