意外に低いアイパッド動画視聴

タブレット型の情報端末で圧倒的な人気を誇るアップル社のアイパッド(iPad)利用方法の詳細が明らかになった。スマートフォン(高機能携帯電話)より大型でより鮮明な画面が特徴のアイパッドは、テレビ番組や映画などの視聴に最適とされているが、むしろ動画視聴を抑えてインターネット・サイトの閲覧やビデオ・ゲームなどに利用するユーザーが多いことが分かった。ウォルト・ディズニー傘下ABCテレビジョン・グループの調査部門ABCリサーチが実施したニールセンとの共同調査で浮き彫りになった。


 

アイパッド利用の中で一番多かったのがインターネット閲覧(全体の93%)。これに電子メール、ビデオ・ゲームなどが続き、動画(ビデオ)視聴は(同66%)は第6位と意外に少なかった。


ところで、動画視聴の中で最も人気だったのがテレビ番組のハイライト版やエキストラ・シーンなどの短編映像。アイパッドを活用した動画視聴の中で44%と最も人気のコンテンツだった。ニュース番組は35%2番人気。それに、ドラマ番組の全編視聴33%、映画視聴は25%と続いた。一方、スポーツ番組全編を見ると答えた人は9%に留まった。また、アイパッドを使ってドラマ番組を見ると答えた人の67%が見逃し視聴に利用していることも明らかになった。

 

そして家庭内におけるアイパッドの利用場所だが、テレビがない寝室などと答えた人が50%だったものの、テレビがある部屋で使うと答えた人も41%に上っている。一日数回はテレビを見ながらタブレットを利用すると答えた人が全体の26%、テレビを見ながら一日に一度はタブレットを利用すると答えた人は41%にものぼり、「タブレットはテレビ視聴を侵食するものではなく、むしろ番組視聴を補完するツールになる」と考える、ABC関係者を勇気付ける結果となった。

 

また、アイパッド所有者の四分の三が動画は無料で視聴したいと答えており、プライムタイム番組などをCMを挿入しながら無料で提供しているABCでは、同社のアイパッド向け配信ビジネス・モデルの正しさが確認できたとしている。

 

ABCの調べでは、米国で販売されたアイパッドは5500万台、今年316日に発売されたアイパッド新型は300万台の売れ行きがあった模様。米調査会社eMarketer(イーマケッター)によれば米国内2011年におけるタブレット台数に占めるアイパッドの台数は62%2位サムスン(9%)などを押さえ圧倒的なシェアを誇っている。

<テレビ朝日アメリカ 北清>