CBS、放送外収入貢献で80%増益

米地上波テレビネットワークのCBSやケーブル局(Showtime Network他)そしてラジオ放送(CBS Radio)、さらには屋外広告会社(CBS Outdoor)などを傘下に置く米メディア企業CBSコーポレーションはこのほど、201213月期の決算を発表した。放送外収入が好調で純利益は前年同期比80%となる36300万㌦を計上した。売上高も同12%増となる392000万㌦と、ウォール街からは「極めて傑出した決算」などと評価されている。

 

好調だった放送外収入は、主に番組のシンジケーション、インターネット上の番組配信、ケーブルテレビ(CATV)事業者などから得た再送信料など。売上高に占める放送外収入は39%を占める152600万㌦に達した。CBSCEO(最高経営責任者)レスリー・ムンベス氏は昨年同期比35%も増収となった放送外収入について、「数年まではまったく目立たない存在だったが、いまやグループ全体の増収増益に大きなインパクトを与えている」と胸を張った。


また、プライムタイム番組が引き続き好調で今シーズンも世帯視聴率王に就くことが予想されているCBSネットワークのおかげで放送部門の広告収入は前年同期比4.6%となる24億㌦に達した。

 

・バイアコムも増収増益 

2005年にCBSコーポレーションと分社化されたバイアコムの同期純利益はコスト削減策や税的優遇策が功を奏し、前年同期比24%増となる53500万㌦となった。一方、売上高は同2%増の333000万㌦に終わった。傘下の人気ケーブル局群(ニコロデオン、MTV、コメディー・セントラル他)の視聴率が不振、広告収入がわずか1%増に留まったことが影響した。同部門の悩みは看板チャンネルでもある子供向け番組専門「ニコロデオン」の不振。視聴率が25%も低下し、バイアコム全体の広告売上減収の大きな要因となった。


ただ、放送部門の売上高は、広告収入が低迷した一方で、CATV事業者などから得た再送信料金収入が米国内で同15%増、海外市場では17%増となるなど健闘したおかげで、同部門売上高は5%219000万㌦を記録した。


また、映画部門(パラマウント映画他)の売上高は、同5%減となる116900万㌦と期待はずれの結果となった。今季は『タイタニック』の3D版が素晴らしい興行成績を収めたものの、アニメ映画『Rango(ランゴ)』、『No String Attached (抱きたいカンケイ)』、『ジャスティン・ビーバー ネヴァー・セイ・ネヴァー』など、昨年同期のヒット作数には至らなかった。

<テレビ朝日アメリカ 北清>