ニューヨークのレストランの入り口付近にアルファベットの表示がついているのにお気づきですか?この表示、ニューヨーク市保健局(Department of Health and Mental Hygiene)が各レストランの衛生状態を検査した結果を表したものです。清潔なレストランには「A」、改善の余地ありと判断されたレストランには「B」や「C」などの評価がくだされ、レストランはその評価カードをお客さんの目に付く場所に掲示することが義務付けられています。
ニューヨーク市保健局によると、このシステムが導入されたのは2010年の7月。抜き打ち検査を実施し、例えば、食材を適した温度で保存していない場合は7点の減点。食器などが清潔でないと判断された場合は2点の減点になるそうです。そして、減点数が0-13点のレストランには「A」が,14-27点は「B」,28点以上は「C」の評価が下されます。
検査結果がBやCだったレストランは改善するよう行政指導があり、通常1ヶ月以内に再検査があるそうです。再検査の結果、改善が認められなければ営業停止になります。ということで、BやCと評価されたお店にはあまり足が向かなくなりますが、検査は年に1回実施されるので、以前は評価がBだったレストランでも久しぶりに訪れると評価がAに変わっていることもあります。
ところで、ニューヨーク州では生の食材にシェフなどが素手で触れることが禁止されています。食中毒などを防止するためですが、アメリカ人の間にすっかり馴染んだ感のある寿司屋さんも対象になります。板前さんは、プラスチックの手袋をはめて寿司を握ることになりますが、やはり寿司は素手で握るのものだと、手袋をつけない板さんも少なくないとか。ただし、衛生局の抜き打ち検査が入った時に見つかると減点の対象になってしまうそうです。日本人としてはちょっとしっくりいかない話かもしれませんね。
各レストランの評価を事前に知りたければ、ニューヨーク市保健局ウェブサイトをご覧ください。お店の名前や付近の郵便番号を入力すれば、リストがご覧になれます。http://www.nyc.gov/html/doh/html/rii/index.shtml