NFLレギューラー戦CMに100万㌦

米テレビ界で高視聴率を保証してくれるキラー・コンテンツ(番組)といえば、NFL(米プロフットボール・リーグ)主催の試合中継番組。米テレビ界でもトップクラスの高額CM料金が課せられることでも知られる番組だ。NBCネットワークがレギュラー・シーズン中に放送する人気番組『Sunday Night Football』の昨シーズンの30CM51万㌦超で取引され、シリーズ番組中最高峰に立っている。そのNBCが今年1122日サンクスギビングス(感謝祭)に開催予定の試合中継番組のCM100万㌦で売り出すことを模索していることがこのほど明らかになり、話題を呼んでいる。

 

サンクスギビングスは米国では宗教色がない国民的祝日。親元に子供たちや親族が集合し、フットボールの試合を見ながら家庭料理を楽しむ家庭が少なくない。今年はニューイングランド・ペイトリオッツとニューヨーク・ジェッツという東海岸の強豪チーム通し。しかも屈指のテレビ市場を抱えるニューヨークとボストンのチームが戦う好カードということもあってNBCが強気に出ている模様だ。


しかし、通常の試合の一挙2倍となる「100万㌦」に対しては、「大胆な料金だ」(米広告業界誌アドバタイジング・エイジ)などと驚きの声が挙がっている。NBCではサンクスギビングスの翌日から年末商戦が始まることから、小売店などのCM出稿が殺到すると見込んでいる模様だ。これまでサンクスギビングス試合はケーブル局が放映してきたが、地上波ネットワークであるNBCが放送することで例年を超える視聴者数を獲得することが出来ると踏んでいるようだ。ケーブル局の過去2年間における平均視聴者数は2700万人ほどだった。

 

ところで、ここのところ米プライムタイム番組は視聴率低下傾向が目立っており、CM収入も下降気味だが、その理由の一つに挙げられているのが、HDD内蔵型のデジタル・ビデオ・レコーダー(DVR)の普及。視聴者の多くが好きな番組を好きな時間に見ようと録画視聴する傾向が高まっている。そんな中、NFL番組はリアルタイムで視聴してくれる番組の筆頭格。高額なCM料金を課せる数少ない番組の一つともいえる。

 

ちなみに、今年2月に開催されたNFL王者決定戦、第46回スーパーボウルには米テレビ史上最高となる11130万人がチャンネルを合わせ、同番組中に放送された30CMはこちらもこれまでの最高額となる平均310万㌦で取引された。   

 <テレビ朝日アメリカ 北清>