動画CM視聴率が急上昇中

米国で、動画CMの視聴率が上昇している。動画CMは、インターネット配信されるテレビ番組などに挿入されているが、米調査会社comScore(コムスコア)によれば、今年3月に米消費者が見た動画CM数は83億件に達した。月間80億件を超えたのは初めてのことだ。CMを見た時間も35億分と高記録を樹立した。コムスコアによれば動画CMは米国人の51%が見るほどに普及している。より安価で効率的な広告方法を模索する広告主の関心を集めることになりそうだ。 

 

動画CMの視聴時間はテレビで放送されるCM2.4%(ビジブル・ワールド社調べ)に留まっているが、「ネット番組のCMは気にならない」などと広告主が重視する若者視聴者の間で極めて好評だ。飛ばし視聴が出来ないものの、挿入されるCMの長さが15秒から30秒と短いことが好感されている。


人気動画サイトのCM視聴状況を見ると、米ネットワークテレビのプライムタイム番組などを翌日に配信しているHulu(フールー)のCM視聴数が17億件(同月)とトップだったほか、YouTube(ユーチューブ)が12億件、BrightRoll95300万件、Adap.tv77500万件などと続いている。フールーはCM視聴時間も69000万分と群を抜いている。 

 

IAB(米インターネット広告協会)の発表によれば、2011年の動画広告売上高は18億㌦と前年を29%も上回る成長振りを示している。ちなみに、同年のインターネット広告全体の売上高は、317億㌦と前年比21.9%増と活況を呈している。

 

ところで、コムスコアによれば、3月における米国内のおけるインターネット利用者は18100万人。テレビ番組を含む動画視聴は370億件に達した。ユニーク・ビューアー数が一番多かったのがユーチューブで、同月は14610万件と断トツの人気。これにヤフー動画サイトの6060万件、Vevo(ビボ)の5130万件、フェイスブックの4510万件、バイアコムの動画サイトの4430万件などとなっている。

 

動画サイトはテレビ番組や映画などを提供するサイトが主流だが、音楽関連サイトやビデオゲーム・サイトも人気急上昇中。音楽サイトではビデオ・ミュージック・チャンネルを提供するビボが月間ユニーク・ビューアー数4910万件を獲得したほか、ワーナー・ミュージック・サイトが3030万件を記録した。これに人気ゲーム・サイトのMachinima(マシニマ)が2290万件と続いている。

<テレビ朝日アメリカ 北清>