米アップル社製のiPad(アイパッド)に代表されるタブレット型多機能携帯端末を使った動画視聴数がスマートフォン(多機能携帯電話)のものを3倍近く上ることが明らかになった。米調査会社コムスコアによれば、タブレットで一月に最低一回はテレビ番組や映画などの動画を見ると答えた人が53%に上り、スマートフォン保有者の20%を大幅に上回った。コムスコアでは「米消費者がスマートフォンに比べより大型の画面を備えたタブレットが動画視聴に向いていると判断した結果だ」としている。
同調査では、一週間に一度はタブレットを使って動画を見ると答えた人が18.9%だったのに対しスマートフォンは6.7%、一日一回は見ると答えた人もタブレット保有者の9.5%に対しスマートフォンは2.9%だったことが分かった。また、タブレットを使って一月に一回は動画を見ると答えた人の26.7%が「有料コンテンツを視聴している」ことも判明した。
コムスコアの上級副社長マーク・ドノバン氏は、「タブレットは歴史的にみても消費者がいち早く生活に取り入れたテクノロジーの一つだ。室内外で様々な用途に使われているが、動画視聴によく活用されていることが浮き彫りになった」と述べ、今後もタブレットを使ったテレビ視聴などが増え続けていくことを予測している。
また、タブレットの利用者の28%が65歳以上と、スマートフォン利用者に比べ年齢層が高いことも分かった。
タブレット人気は今後も持続する模様で、米調査会社IDCはこのほど2012年の世界のタブレット型多機能携帯端末の出荷台数を1億740万台と、6月上旬に出した予測値1億610万台から上方修正した。出荷台数は16年までに2億2210万台と約2倍に達する見込みだという。
米オンライン調査会社eMarketer(イーマケッター)は、現在3370万人とされる米国内のタブレット利用者の数が今年末までに7000万人に達するとみている。これはインターネット利用者の29%を占める数だ。
同社によれば現在タブレット利用者の54%が男性だが、今後は女性利用者が増え、3年後にはほぼ同数になるという。
そんなタブレット人気に触発さえるかたちで、米出版大手タイムは6月中旬、同社が発行する「タイム」や「ピープル」など20誌について、アイパッド上でデジタル版の定期購読が出来るサービスを始めると発表した。