米オールスター戦、視聴率は低調

オリンピックを除き「夏に開催されるスポーツ・イベントの中で最も人気のあるイベント」とされる米大リーグのオールスター戦が710日、ミズリー州カンザス市のカウフマン・スタジアムで開催された。ナショナル・リーグが、レンジャースのダルビッシュ投手が所属するアメリカン・リーグを80で下し3連勝を果たした。試合の模様はFoxネットワークが全米向けに独占中継したが、点差が大リーグ史上3番目の大差になるなど一方的なゲームになったことなどが影響し、平均視聴者数1090万人、総世帯視聴率6.8%(シェア12%)と同カテゴリーでは史上最悪の記録となった。昨年は、同視聴率6.9%、平均視聴者数は1100万人だった。

 

ただ、総世帯視聴率では低調だったものの、試合の一部を見た人の数は2770万人と、昨年のオールスター戦を7%上回った。また、広告主が重要視する1849歳層の視聴率も昨年比3%増となる3.2%を獲得、Fox関係者は安堵感に浸っている模様だ。今年の球宴では大リーグ史上初めて選手が試合中にツイッターでファンと会話することが許可されており、若者層の視聴率が昨年のものを上回った要因の一つになった可能性もある。広告業界誌「アドウィーク」によれば、Foxが広告主に保証した同層の視聴率は3%だったという。


同誌によれば、同中継番組で放送された30CMに課された料金は約55万㌦。主なスポンサーには自動車メーカーや金融サービス会社などが名を連ねたが、クイック・サービス・レストラン(QSR)が積極的な広告出稿で存在感をアピールした。

 

なお、日本選手で唯一選出されたダルビッシュ選手は登板機会はなかった。また、オールスター戦覇者となったナショナル・リーグには今秋開催予定のワールドシリーズの本拠地開幕権が与えられる。

 

ところで、大リーグは球宴後シリーズ後半戦に突入しているが、早くも来シーズン終了後に期限切れとなる独占放送契約が取り沙汰されている。現在、大リーグの試合を全国向けに放送できるのはFoxネットワークのほか、スポーツケーブル局ESPNと総合編成ケーブル局TBS3社。同3社は大リーグに対し年平均71100万㌦の権料を払っているが、13年以降の新契約はNBCネットワークが参入を狙っているとされ、大リーグが大幅な値上を要求する見込みだ。ちなみに、レギュラー戦は各球団が保有するケーブル局や球団所在地のローカル局などが放送している。

<テレビ朝日アメリカ 北清>