ロンドン五輪開会式視聴率が過去最高

夏季オリンピック・ロンドン大会は27日、ロンドン東部の五輪スタジアムで開会式があり、17日間にわたる戦いが始まった。米国内では開会式の模様は、独占放送権を握る地上波ネットワークテレビNBCが同日のプライムタイムまで保留、全国向けに午後7時半(米東部時間)から放送した特別番組の中で、録画中継された。そして同番組が、ニールセン社の速報によれば平均視聴者数4070万人(視聴率21.0%、シェア37%)を獲得、開会式の視聴者数としては過去最高記録を樹立した。

 

前回の夏季五輪北京大会時の3490万人を600万人近く上回ったうえ、米国内で1996年に開催され、これまでの最高記録を保持していたアトランタ大会の3980万人をも超える高記録だ。開会式や主な競技は時差の関係からいったん録画してプライムタイムに放送するNBCの方針に一部批判の声が高まっていたが、そんな声をはねつけるかのような結果となった。


そして、開会式をテレビで見ながらフェイスブックやツイッターなどに代表されるソーシャルメディアをつかった会話も記録的なものになったようだ。米調査会社Bluefin Labs(ブルーフィン・ラブズ)によれば、500万件に上るコメントが寄せられ開会式の話題で盛り上がった模様だ。ソーシャルメディアに関わった人々の58%が女性だったという。

 

また、開会式の翌日(28日)に始まった大会第1日目の競技を伝えた番組もプライムタイムで録画中継されたが、米国チームが強い男子競泳など人気種目が含まれていたこともあり、平均視聴者数2870万人を獲得。こちらも大会第1日目視聴率の新記録となり、国際オリンピック委員会(IOC)に対し約12億㌦の放送権料を払ったNBCにとって、いきなり金メダル発進となった。NBCUでは今大会、全競技の模様をインターネット上にリアルタイム配信する予定だが、当初心配されていた放送への悪影響がほとんどなかったことになる。

 

NBC関係者によれば、大会初日、インターネット上でリアルタイム視聴されたストリーム件数は700万件。ハイライト版やリプレー版を含め1320万件の再生回数があったという。「画面が何度も途切れた」などとする苦情も寄せられた模様だが、NBCスポーツ・グループの広報担当者は、「全体でみれば大成功。まずは無難な船出となった」と安堵感を表している。

 

ちなみに、開会式は方針通りリネット放送はされなかった。閉会式もオンライン上からは締め出される予定。

<テレビ朝日アメリカ 北清>