新番組プロモーションはネットで

米地上波テレビネットワークの間で新たな番組宣伝手法を採用する動きが目立っている。その手法とは、9月から始まる新シーズンでデビューする新番組の初回分を放送日数週間前にインターネット配信するというもので、米広告主が番組の成否の尺度にしている若者層(1834歳層)の取り込みが狙いだ。


Foxネットワークはこのほど、925日にプレミアを予定している新コメディー番組『Ben and Kate(ベンとケイト)』(シングル・マザーとなった妹を助けるために同居生活を始めた兄ベンと妹ケイトの物語)と『The Mindy Porject (ザ・ミンディー・プロジェクト)』(ミンディーは立派な産婦人科医。悩みは仕事に追われるあまりボーイフレンドが見つからないこと)の初回分を、827日から99日の二週間にわたりネット上に開放することを発表した。

 

両番組は、同ネットワークのホームページで配信されるほか、フェイスブック、ヤフー、フールー、AOLMSNなどの動画配信サイトでも視聴が可能となる。


Foxが昨シーズンスタートさせた新コメディー『New Girl(ニュー・ガール)』(一風変わった若い女性が3人の男性が共同生活するアパートに転がり込みドタバタ生活始まる)が大ヒット番組になったが、同ネットワーク関係者は同番組の初回分が放送日前日までインターネット配信されたことも視聴者を引き付けた要因になっていると見ているようだ。

 

Foxでは『New Girl』についても、昨シーズン放送した24エピソードすべてを「アンコール配信」としてヤフーの動画配信サイト「YahooTV」を使って新シーズン開始前4週間にわたり配信する予定。すべてのエピソードがオンデマンドで無料配信されるという。昨シーズンを見逃した人も含め視聴者の取り込みをはかり、シリーズ2年目のさらなる成功を目論んでいる。

 

また、NBCネットワークも新シーズンで始まる新番組をFox同様、2週間限定で初回分をオンライン配信する。昨年に続き2回目の試み。同社のホームページのほか、フールー、アップル社のアイチューンズ・ストア、インターネット通販大手アマゾン、さらにはマイクロソフト社のビデオ・ゲーム「Xbox」でもオンデマンド形式で配信される。

米調査会社「パークス・アソシエーツ」によればインターネットで配信されるテレビ番組視聴数は過去6ヶ月で30%も増えるなど、人気急上昇中だ。

<テレビ朝日アメリカ 北清>