米ケーブルテレビ(CATV)最大手でメディア企業NBCユニバーサルの経営権も握るコムキャストがこのほど発表した2012年4-6月期決算報告によれば、高速大容量インターネット・サービス(ブロードバンド)の契約者増加が大きく寄与し、売上高は前年同期比6.1%増の約152億㌦、純利益は市場の予想を上回る24.2%増約13億5000万㌦だった。
CATV事業を見ると、番組送信サービス解約数が17万6000人だったものの、前年同期の23万8000人に比べ離反件数が大幅に改善された。一方、ブロードバンド・サービスへの新規加入世帯数が前年同期比8.4%増となる15万6000人を記録、同サービスの売上高は前年同期比8.9%増となる23億8000万㌦に達した。また、中小企業向けのブロードバンドと電話サービスが好調で、売上高は同34%増5億8200万㌦と大幅増収となった。その他、番組や映画などのオンデマンド・サービスも好調だった。ちなみに、同社の平均月額加入料は、前年同期比8%増となる148.57㌦だった。
NBCユニバーサル(NBCU)を見ると、相変わらずケーブル局が好調だったものの、地上波テレビ放送NBCネットワークが不振。映画部門(ユニバーサル映画)では大型予算を投入した『バトルシップ』が不発に終わったことなどが影響し、売上高は昨年同期比0.8%減とほぼ横ばいとなる約55億㌦だった。前年同期にはインターネット番組配信大手Netflix(ネットフリックス)との大型番組販売契約がもたらした大きな収益があったが、今季はそれに見合うものがなかったため、キャッシュフローは、15.4%減となる9億8200万㌦だった。
地上波テレビ部門をみると、NBCネットワークの売上高は前年同期比9.1%減少となる15億㌦にとどまった。直営局の業績は好調だったが、大型の番組制作予算の投入が帳消しにしたかたちとなった。キャッシュフローは、同2.7%増1億9600万㌦だった。
映画部門の同期売上高は、1.8%減少となる12億3100万㌦。キャッシュフローは8300万㌦の赤字だった。
一方、NBCU傘下のケーブル局群は、CATVなどから得る送信料収入が同6.8%増、広告収入も4.1%増を記録したこともあり、売上高は前年同期比3.6%増となる22億5200万㌦を記録した。ただ、オリジナル番組の開発費、さらにはNBA(米プロバスケットボール協会)やNHL(米アイスホッケー・リーグ)への放送権料支払いなどが響き、キャッシュフローは前年同期比6.8%の減少となる7億8800万㌦だった。