CNNワールドワイド社長が退任発表

米ニュース専門局の元祖CNNテレビの上部組織CNNワールドワイドのジム・ウォルトン社長(54)が今年いっぱいで退任することになった。ウォルトン社長が27日、社内向けに送ったメッセージの中で明らかにした。


ウォルトン氏は、スタッフに宛てたメッセージの中で、「CNNが必要としているものは新しい考え方だ。そして、その新しい考え方は、(私とは)違った展望と経験さらには計画をもった新しいリーダーのもとに始まる。私はその変化“を受け入れる準備が出来た。私自身も新たな興味を探求したいと思っており、その時間を自分に与えたいと思っている」などと述べ、辞職へ至った思いなどを説明している。

 

CNNは今年5月、プライムタイム番組の視聴者数が過去20年間で最低となるなど視聴率低迷に悩んでいて、3大ニュース専門局の中で最下位の座に甘んじている。ニューヨーク・タイムズなどによれば、社内にリーダーシップの欠如を感じる従業員が多く、働く意欲も低下していたという。


今年の営業利益は、ケーブルテレビ(CATV)や衛星放送事業者などから得る送信料収入や海外番組販売などが好調で、これまで最高となる6億㌦に達する見込み。一見、経営的には順風満帆のように思えるが、視聴率低下傾向に歯止めがからなければ、これらのサービスに悪影響を及ぼし利益が減少するのは必至の状況。CNNの親会社タイムワーナー首脳陣の中には、ウォルトン氏の手腕に対する不満が募っていた模様。

 

ウォルトン氏は1231日をもって降板の予定。同氏の後任選びはCNNワールドワイドなど、タイムワーナー傘下の放送部門を統括するターナー・ブロードキャスティングのフィル・ケント社長が担当する。

 

ウォルトン氏は1981CNNに入社。96年―2000年にはCNN姉妹局でスポーツ専門のCNN/SI(スポーツ・イラストレイテッド)の社長を務め、03年から現職。

<テレビ朝日アメリカ 北清>