米ディズニー、映画部門好調で増収増益

米メディア娯楽企業大手ウォルト・ディズニーがこのほど発表した201246月期決算は、映画部門やテーマパーク部門が好調だったおかげで純利益は前年同期比24%増となる183000万㌦を計上、売上高も同4%増となる111億㌦で、増収増益となった。同社の最高経営責任者(CEO)ボブ・アイガー氏は決算発表に際し、「四半期ベースの純利益としては、ディズニーにとってこれまで最高の記録となった。驚くべき成果を挙げたとしか言いようがない」と胸を張った。

 

まず、増益に貢献した映画部門を見ると、アイアンマン、ハルク、キャプテン・アメリカなど、世界的にヒット作となった映画の主人公が一堂に顔を合わせるアクション大作『アベンジャーズ』の大ヒットが大きい。封切後1週間の北米市場での興行収入が2740万㌦と歴代の記録を塗り替える健闘ぶり、世界市場における興行収入は15億㌦に達した模様だ。

 

同部門の営業利益は前年同期の6倍強となる31300万㌦に達した。売上高は162500万㌦だった。アイガーCEOは、特にアベンジャーズについて、「ディズニーにとって新たな看板映画的存在になった」と賞賛、続編の制作が決まったことや、同映画のブランド力を最大限生かし、キャラクター商品などの開発・販売に全力を挙げていく考えを示した。


また、テーマパーク部門もグループ全体の増益に大きく寄与した。カリフォルニア州にあるディズニー・ランドに新たに「カーズ・ランド」を追加したことや、フロリダ州のディズニー・ワールドの入場数も好調。さらには東京ディズニー・ランドの収益が東日本大震災の影響で落ち込んだ前年同期に比べ大幅に改善したことで同部門の営業利益は同21%となる63000万㌦となった。売上高は同9%344000万㌦に達した。ディズニーのキャラクターが盛りだくさんの家族向け豪華客船サービス「ディズニー・クルーズ」も好調だった。

 

さらに、地上波テレビ放送ABCネットワークやケーブル局を擁する放送部門も好調だった。同社の稼ぎ頭的存在になっているスポーツ専門局「ESPN」が米プロバスケットボール協会(NBA)主催の試合中継番組が番組制作費の圧迫などから低調に終わったが、子供向け専門局ディズニー・チャンネルが、長年のライバルバイアコム社のニコロデオンを抑え大健闘したことなどから、同部門の営業利益は前年同期比2%となる213000万㌦となった。

<テレビ朝日アメリカ 北清>