米国で「モバイルDTV」(米国版ワンセグ放送)サービスの2012年中の立ち上げが現実味を帯びてきており、消費者の関心が高まっている。中でも、「屋外におけるテレビ番組視聴に大いに活用したい」と考える消費者が多いようだ。ローカルテレビ局やテレビネットワークなどがモバイルDTV振興のために創設したコンソーシアム「モバイル・コンテンツ・ベンチャー(MVC)」がこのほど実施したアンケートによれば、米市民の68%がモバイルDTVが始まれば「テレビ視聴時間が増えるはずだ」と答えた。
同調査の結果を受けて、MVC関係者は、「テレビ番組のリアルタイム視聴にこだわる人が少なくないことが再確認された。これまで居間などに限られていたテレビ視聴が屋外でも可能となれば、放送事業者にとって新たなビジネス展開の道が開かれることにもなる」と、分析している。
また、放送業界誌「ブロードキャスティング&ケーブル」は、「モバイルDTVが本格普及すれば、テレビ視聴習慣に大きな影響を与える可能性がある」と指摘している。
同調査では、全体の61%が「スマートフォンを使ってモバイルDTVを見たい」と答えたほか、54%が「タブレット型情報端末で見たい」と答えており、モバイルDTVの普及には同放送に対応した両携帯端末が市場に浸透することが重要な鍵を握っていることが明白になった。
ところで、モバイルDTVについては、「外出中のエンターテイメントに使いたい」が69%、「世情に疎くならずにすむ」が61%、「子供を厭きさせない」が56%、「ひいきの番組を見逃さずにすむ」が48%、などと様々な利用方法が想定されているようだ。
また、「天気予報やニュースの情報収集に役立つ」と考える人が非常に多いことも分かった。「ローカルニュースや天気予報を見るために(モバイルDVTを)使う」と答えた人が81%に上り、「映画を見たい」(79%)、「全国ニュースを見たい」(75%)、「スポーツ番組を見たい」(66%)などをおさえてトップに挙げられている。
さらに利用場所については、「待ち合わせ場所で時間つぶしに」が85%、「通勤や移動の途中で」が76%、「車の中で子供たち用に」が74%、「テレビ代わりに家で使う」が63%、「スポーツクラブ」で52%、「職場で」が44%、などとなってる。
モバイルDTVが本格展開されれば、専用の携帯電話などに買い替えるあるいは前向きに検討すると考える人は61%に達した。