TV番組無料検索サイトがスタート

インターネット上で書籍などのアーカイブ・サイトを運営する「Internet Archive(インターネット・アーカイブ)」社が917日、過去のテレビ報道番組を自由に検索できる新たな無料サービス「TV News Search & Borrow」を立ち上げた。「今年11月に迫った米大統領選挙に関心を抱いている米市民に過去のテレビ番組を参照しながら候補者の様々な政策や立場の違いなどを理解してもらえれば」が、同サイトの狙い。


同アーカイブにはすでに地上波テレビネットワークとニュース専門局、さらにはサンフランシスコと首都ワシントンのローカル局など20局が過去3年間に放送した35万件のニュース項目が蓄積されているという。番組検索には、耳の不自由な人のためにテレビ放送に埋め込まれた字幕を流用している。

 

同社創設者のブリュースター・ケール氏(写真・右)は、「一般の人がネット上で新聞記事などを読み比べできるように、テレビ番組も見比べることが出来るようになるべきだ」と、同サイト立ち上げの経緯を説明している。番組閲覧は30秒間に限られるが番組全編が見たい人は、同社からDVD版を借り入れる(1タイトル50㌦)ことも可能だ。


一般人はもとより、報道関係者にとっても便利な検索サイトとなりそうだが、問題はネットワークテレビなどからの許可を受けていないこと。ケール氏は各社に同サイト設立の意図を説明し協力を呼びかけているが、色よい返事は返ってきていない模様。唯一、米公共放送(PBS)の看板ニュース番組「NewsHour(ニュース・アワー)」のプロデューサーから、「当社にはないアーカイブ・システムで素晴らしいサービスだ」などと好意的な声が上がっている。その他、「番組全編が見られるわけでなく、インデックス(牽引)サービスのようなもの」などと指摘する向きもあるが、他社は著作権侵害にならないかどうか、慎重に検討している模様だ。

 

ケール氏は、「番組閲覧は放送後丸1日待たなければならない。テレビ視聴を妨げるものではないし、既存のニュース専門局や報道番組などが設営しているウェブサイトに対抗するものではない」」などと弁明。「テレビ局各社のアーカイブ・サイトに連動してもらい、そのサイトを収益化されても異存はない」などとラブコールを送っている。

 

ケール氏は、「人類が書いたすべての書籍、音楽、さらには映像をアーカイブ化することがゴールだ」と豊富を語っている。

<テレビ朝日アメリカ 北清>