インターネット上で配信される動画(オンライン・ビデオ)をテレビで見る米消費者が急増している。米市場調査会社「NPDグループ」がこのほど発表した調査結果によれば、動画を見るためのツールとして「テレビを使う」と答えた人は全体の45%(2012年4-6月期)と前年同期の33%から急増していることが明らかになった。
逆にこれまで動画視聴のメイン・ツールだった「パソコン」を挙げた人は31%と前年同期48%から大きく転落しており、オンライン・ビデオ視聴の際に利用する画面がパソコンからテレビに大きくシフトしていることが浮き彫りになった。
NPDは、「テレビ番組や映画などオンライン・ビデオは大画面(テレビ)で見たいという好みがはっきり現れたものだ」と分析。さらに、「オンラン・ビデオ視聴する人がキャンパスの寮(学生)から居間(一般人)へ変わってきている」と指摘している。
オンライン・ビデオ視聴に利用するディバイスの内訳を見ると、テレビ(45%)に続き、ラップトップ型のパソコンを使うと答えた人が17%、デスクトップ型のパソコンが14%と続いたほか、タブレット型情報端末やネットブック(小型ノートPC)がそれぞれ1%だった。
同社ではまた、「今回の調査結果は、米テレビ世帯の中でインターネットと接続できるテレビ受像機が急速に普及し始めていることを示すものだ」としている。NPDによれば、何らかの方法でインターネットに接続が可能なテレビを保有している世帯は全体の12%ほどに上っている模様だ。中でも、「Apple TV(アップルテレビ)」「Roku(ロク)」「Boxee(ボクシー)」など、ネット上の映像コンテンツなどをテレビで再生する機器、いわゆる“ストリーミング・メディア・プレイヤー”保有者の62%が同機器を利用してオンライン・ビデオなどを視聴していると答えたほか、「Wii(ウィー)」「Xbox360」「PS3(プレーステーション3)」などビデオ・ゲーム機保有者の47%がテレビに接続しオンライン・ビデオ視聴している、と答えている。また、ブルーレイ・ディスク(BD)プレイヤー保有世帯の21%がオンライン・ビデオ視聴を利用している模様だ。
オンライン・ビデオの中身については、ストリーミング動画サービス大手「ネットフリックス」を利用しているが40%で圧倒的多数を占めているほか、動画配信サイトHuru(フールー)が12%で2位、これにVudu(ヴードゥー)の4%などと続いている。