ネットフリックスがディズニー映画配信へ

米国で圧倒的な人気を博しているインターネット経由の動画配信サービス「ネットフリック」が米ウォルト・ディズニーの映画配信権を取得することになった。ディズニーは現在、有料映画専門局「Starz(スター)」との間で配信契約を結んでいるが現行契約が失効する2016年を契機にネットフリックに乗り換えることになる。ハリウッドのメジャーがケーブル局に代わってインターネットをプラットフォームとするデジタル配信会社に鞍替えする初のケースとして話題になっている。ネットフリックスがハリウッド・メジャーと契約するのも初めてだ。

 

ディズニー以外のメジャー、「パラマウント」、「ユニバーサル」、「ワーナー・ブラザース」、「ソニー」、「20世紀フォックス」は、それぞれスターに加え、HBOやショータイムなど有料チャンネルと契約しているがネット上の映画配信会社と本格的な契約をしている社はない。

 

新契約のもと、ネットフリックスはディズニーの往年のアニメ映画『ダンボ』、『不思議の国のアリス』、『ポカホンタス』などを直ちに配信することができるが、新作映画は16年から解禁。新作映画にはディズニー映画に加え、傘下のピクサー・アニメーション・スタジオ(CGアニメ)やマーベル・スタジオ(ヒーロー映画)、さらにはこのほど買収が決まったルーカス・フィルムなどの作品も含まれることになる。


契約金は公表されていないが、米メディアは年間3億㌦規模になると一斉に報じている。スター側は16年以降も契約継続を望んだとされるが、ディズニー側に提示した年間権料が1億㌦に留まったため、ディズニーがネットフリックスを選択した模様だ。今回の契約は、映画の二次利用から最大限の利益を生み出そうとするディズニーと子供や家族向けのコンテンツ拡充を最大課題の一つに据えていたネットフリックスの思惑が一致した結果ともいえそうだ。


ネットフリックスはDVD宅配レンタルとして普及したが近年はインターネットを使った映画やテレビ番組の配信サービスとして大成功を収めている。現在、米国内に2500万人以上の加入者を抱えており、スターの2080万人を超える存在になっている。ネットフリックへの月額加入料は7.99㌦。加入者は、パソコンはもとより、インターネット接続が可能なテレビ受像機、さらにはタブレット(多機能携帯端末)などでコンテンツを視聴することができる。

<テレビ朝日アメリカ 北清>