オンライン・ビデオ視聴が急上昇中

インターネット上で配信されるオンライン・ビデオ(テレビ番組や映画)人気が米国で急上昇している。米テレビ専門誌「週間TVガイド」によれば、テレビ視聴者の中で、2012年にオンライン・ビデオ視聴に費やした時間が前年を越えたと答えた人が全体の42%にも上った。米消費者の間で広まりつつあるペイテレビ・サービス解約の動き“コードカッティング”に伴うものだとする説もあるが、、「コードカッティングをしたためオンライン・ビデオ視聴が増えた」と答えた人は10%に留まっていて、今回の調査では同因果関係を直接的に示すデータは見当たらなかったとしている。

 

米国ではテレビ世帯の約9割がペイテレビ・サービスと呼ばれるCATV(ケーブルテレビ)や衛星放送、さらには電話会社が提供するIPテレビに加入し再送信されるテレビ番組などを見ているのが現状。加入料の値上がり傾向に歯止めがかからないことに業を煮やした若者層を中心にペイテレビ解約機運が高まっている。米国ではペイテレビを代表するCATVを解約するという意味からコードカッティングという表現が象徴的に使われている。


さて、同調査では、オンライン・ビデオ利用の中で圧倒的に多いのがテレビ番組などの見逃し視聴であることが分かった。特にシーズン開始後や新旧シーズン中間期(6-8月)に「放送で見逃した番組視聴に利用している」と答えた人が全体の73%にも上った。


オンライン・ビデオ・サービスはいずれもオンデマンド型が中心だが、最も多く利用されているサービスの筆頭に「Netflix(ネットフリックス)」が挙がった。11年には全体の36%が同サービスを利用していると答えたが、12年には55%に上昇。2位にランクされたアップル社の「アイチューンズ・ストア」は31%から46%に増加したもののネットフリックに水を開けられた。その他、映画専門の「Movies On Demand」が21%から40%に伸び3位にランクされたほか、後発組みの「アマゾン・インスタント・ビデオ」が同10%から34%に急増した。日本にも進出している「Hulu(フールー)」は7%から27%と大きな伸びを示し5位にランクされている。


ところで、調査会社GfKの最新調査では、ジェネレーションYと呼ばれる1332歳層の間でオンライン・ビデオをプライムタイム中にテレビ受像機を使って見る人口が急増していることに注目している。4年前には0%だったものが、現在は12%を超えたという。

<テレビ朝日アメリカ 北清>