米国で圧倒的な人気を誇るNFL(米プロフットボール・リーグ)の王者決定戦「第47回スーパーボウル」が2月3日、ルイジアナ州ニューオーリンズ市のスーパードームで開催された。アメリカン・カンファレンスのチャンピオン、ボルティモア・レーベンズとナショナル・カンファレンスの覇者サンフランシスコ49ersの間で戦われた試合の模様は、米地上波テレビCBSネットワークが米東部時間午後6時半から約4時間余りにわたり全国向けに生中継した。CBS広報によれば、平均視聴者数1億841万人と、12年の1億1130万人、11年の1億1104万人を若干下回る米テレビ史上第3位の記録に留まった。
決勝に進出したチームのお膝元が比較的小さなテレビ市場であったことが視聴率に影響を与えた可能性もありそうだ。CBSによれば、平均世帯視聴率は46.3%、シェアは69%。スーパーボウル史上第2位の成績だった。
ところで試合半ばごろ、球場が34分間にわたり停電となるハプニングが発生、ゲームが中断する極めて異例の事態となった。CBSは急きょ中継機材用の補助発電機に切り替え、番組がブラックアウトになることはなかった。スタンドのファンからはブーイングが出るなど騒然としたが、暴動などは起こらなかった。長時間にわたる試合中断が視聴者数に与えた影響については正負両論が出ている。
試合はレーベンズが、後半猛反撃にでた49ersを34対31で振り切り、2011年以来12年ぶり2度目のスーパーボウル・チャンピオンの座を射止めた。
ところで、今大会は視聴者によるソーシャルメディアを使った“会話”がこれまでの最高レベルに達した模様だ。簡易ブログ最大手ツイッターによれば、試合を見ながらのつぶやき数は試合前半が終わった時点で昨年の数を超過。試合が終わった時点で交わされたツイッター数は2410万件に達したという。停電中のツイッターのやり取りは毎分23万1500件と最も多く、人気歌手ビヨンセさんが登場したハーフタイム・ショーに関してのツイッター数は550万件を記録した。
なお、今大会の中継には60台以上のカメラが使われたが、日本の放送機器メーカー朋栄株式会社が特別に開発した4Kカメラ(For-A-FT-One 4K)6台が採用された。既存のHDカメラの4倍にあたる解像度と1秒当たり300-500フレームをキャプチャーできる性能がフルに生かされ、ゲームのインスタント・リプレーや超クロースアップ画像などに有効に使われた。