スーパーボウルはCMの檜舞台

23日に開催されたNFL(米プロフットボール・リーグ)王者決定戦スーパーボウルは米テレビ界の最大イベントであるばかりか、米広告界の最大イベントとしても位置付けられており、“Super Bowl”にちなんで“Ad(広告) Bowl”などと呼ぶ向きもある。億単位の視聴者を魅了する同中継番組内で放送されるCMには破格の値段が付くことでも知られているが、各スポンサーにとって刷新的な新コマーシャルを発表する檜舞でもある。「試合よりも、どんなCMが飛び出すか楽しみにしている」などと“スーパーボウルCM“を見るためにチャンネルを合わせる視聴者が少なくなく、同番組中のCMに対する注目度は突出している。

 

今年CBSネットワークが30CMに課した値段は過去最高額となる平均370380万㌦。それでも広告主にとってスーパーボウルに出稿したCMは特別な効果をもたらすようだ。6年連続でスーパーボウルにCMを出稿した韓国自動車メーカー、ヒュンダイ(現代)モーター・アメリカのマーケティング担当スティーブ・シャノン副社長はニューヨーク・タイムス紙に、「2012年のスーパーボウルに、2モデルのCMを流したところ、在庫がなくなるほどの売れ行きをよんだ」と語っている。

 

ところで、各スポンサーの間で、スーパーボウルCMに動画サイトYouTube(ユーチューブ)やフェイスブックなどソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)サイトをコラボレートさせる動きが加速している。CMの認知度が格段に高まるとの認識からだが、今年もコカ・コーラが視聴者参加型のCMを数週間前からフェイスブックに公開したり、ピザハットが視聴者にCM出演を呼びかけるといった工夫をしている。いずれも、広告内容にインタラクティブ性を持たせ、消費者の商品に対する印象度をできるだけ長く持続させるのが狙いだ。


しかし、番組前の公開には“サプライズ効果が薄れる”、“(事前公開しても)CMを覚えている期間が長引くとは限らない”などと、同手法を疑問視する広告主もあり、今後さらなる試行錯誤が繰り返されることになりそうだ。

ちなみに、今年のスーパーボウルには飲料メーカー、ビールメーカー、自動車メーカーの三業界が競って出稿し存在感を示したほか、ルーキー組も全体の30%以上に上るなど、多彩な広告主が出稿した。30CMよりも60秒や90秒と長編のCMを好む広告主が増える傾向が鮮明になっているという。

<テレビ朝日アメリカ 北清>