米国で急速に普及しているスマートフォン(多機能携帯電話)とタブレット型情報端末が使用目的によって使い分けられていることが明らかになった。両デジタル機器保有者による動画視聴数が上昇カーブを描き続ける中で、スマートフォンとタブレットでは好みのコンテンツに明確な違いがあるようだ。米デジタル・エンターテイメント・テクノロジー会社ロビ・コーポレーションの調査によると、タブレット保有者の間で一番人気のあるコンテンツが「映画」だったのに対し、スマートフォンでは主にユーチューブが提供する「素人による投稿画像」だった。
両機器による人気コンテンツのトップ3を見ると、タブレットでは映画を挙げた人が全体の34.9%とトップだったのに次ぎ、投稿画像が24.3%で2位。これにテレビ番組が23.4%とわずかな差で3位にランクされている。これに対しスマホのほうは、投稿映像と答えた人が全体の33.8%で一位だったのにつぎ、映画は28.1%で2位。3位にランクされたテレビ番組はタブレットに比べ一段と低くなる14.9%だった。
トップ3以外の人気コンテンツを見ると、タブレットではニュース画像が全体の10.1%で4位、これにミュージック・ビデオが3.7%で5位と続き、家族映像2.1%などとなっている。スマホを見ると、4位に入ったニュース映像が11.2%、ミュージック・ビデオが7.8%で5位と順位はタブレットと同じだが、ミュージック・ビデオを見ると答えた人がタブレットのほぼ倍となっているのが特徴だ。
ところで、米国では携帯電話保有者の50%超に当たる1億2500万人がスマホを保有するになったほか、タブレット保有者も5000万人を超えるなど、両機器の普及率が急上昇中で、テレビ関係者が注目している。これらのディバイスはテレビ画面に次ぐ画面という意味から「セカンド・スクリーン」とも呼ばれ、番組視聴に利用する消費者が急増しているからだ。放送外収入の追求を求められている放送事業者などにとって、携帯端末を介しての番組視聴は見逃せられないところ。ニールセン社がビデオ広告の視聴状況や効果などの調査に乗り出している。
ちなみに、広告代理店大手ゼニス・オプティメディアによれば、世界のトップ19市場におけるスマホの普及率は15年までに倍増となる72%。タブレットも現在の普及率5%から15年には13%に拡大する勢いだ。