米メディア企業2Q決算が好調

米メディア企業はこのほど、相次いで今年46月期決算を発表。各社、ここの所元気のなかったテレビビジネスが底力を発揮し、好成績に寄与した点が目立っている。

 

米最大のCATV(ケーブルテレビ)事業者で、傘下にメディア企業NBCユニバーサル(NBCU)を置く「コムキャスト」の同期売上高は昨年同期比7%増となる163億㌦。純利益は同29%増にもなる17億㌦と、増収増益となった。このうちCATV部門の売上高は同5.8%増となる1047000万㌦。映像配信サービスの不振をブロードバンド通信サービスの加入者増や企業向けサービス(ブロードバンド及びケーブル電話)が補ったかたちとなった。

 

NBCUはテーマパーク部門が低調だったが、映画及び放送部門が好調で、売上高はウォール街の予想を上回る8.9%増となる60億㌦を記録した。放送部門の中では特に地上波テレビNBCネットワークがオーディション番組「ザ・ヴォイス」の高視聴率などのおかげで久方ぶりの広告収入アップで貢献した。

201213年シーズンの視聴率2冠王に輝いた地上波テレビCBSネットワークなどを傘下に置く「CBSコーポレーション」の売上高は、昨年同期比11%増と二桁台アップとなる37億㌦。純利益も11%増となる47200万㌦だった。四半期ベースの純利益としては同社にとって過去最高記録となった。好調CBSネットワークの広告収入増もあるが、海外市場やインターネット上の動画配信サービスへの番組販売がすこぶる好調だった。広告収入への依存度が高いといわれるCBSだが、今回は番組販売売上(同22%99700万㌦)や系列局や再送信サービス事業者などから徴収する配信料(同18%54900万㌦)など、放送外収入が大きな比重を占めた。

若者に人気の「MTV」や「コメディー・セントラル」、子供専門局の雄「ニコロデオン」など有力ケーブル局群を傘下に抱える「バイアコム」の同期売上高は市場の予想を上回る14%369000万㌦(前年同期比)。純利益は20%増の64300万㌦を記録した。グループ全体の営業利益の9割近くを担うケーブル局が視聴率好調で、広告収入増につながり全体の売上高は同13%257000万㌦となった。強力なライバルのないMTVやニコロデオンなどが引き続きブランド名をアピールしている。

 

また、「スター・トレック・イントゥ・ダークネス」などヒット作に恵まれた映画部門(パラマウント)も、売上高が同15%増となる116000万㌦に達し、グループ全体に大きく貢献した。

<テレビ朝日アメリカ 北清>