Q2米テレビ広告費が6%増と好調

今年46月期における米テレビ広告売上高が四半期ベースとしては2000年以来の好記録となった。米調査会社キャンター・メディアがこのほど明らかにしたもので、米テレビ媒体向けの広告支出は前年同期比6%増となる184億㌦に達し、同0.1%減と暗いスタートなった13月期から一転、テレビ業界に朗報となった。

 

NBAに負けず劣らずの人気がある大学バスケットボール競技の決勝ラウンド「マーチ・マッドネス(3月の熱狂)」の最終4試合(CBSテレビ)が4月に組まれたことも同期の広告収入に少なからぬインパクトを与えた模様だ。キャンター・メディアでは、こうしたスポーツ・イベントが35000万㌦の広告支出増に寄与したと見ている。


また、前年同期は目前に控えた夏季五輪ロンドン大会に広告予算を温存した広告主が、今季は積極買いに出たことも同期の広告支出増を支えている。キャンターではこうした要素がない今年後半は同様な広告費の伸びは期待できないと警告している。

好調の背景には地上波テレビABCネットワークが放送した米プロバスケットボール協会(NBA)の王者を決める決勝ラウンドが高視聴率を博したことが挙げられる。同決勝ラウンドは最終戦(7回戦制)までもつれ込んがこともあり、7試合の平均視聴者数1770万人を獲得。最終戦の視聴者数は10年以来最高となる2630万人に達し、ABCにとって想定外の広告収入につながった。

 

ところで、テレビ媒体の中身を見ると相変わらずケーブル局の好調さが見立っている。同期における地上波テレビネットワーク向けの広告支出額が前年同期比5%増となる529000万㌦だったのに比べ、ケーブル局は同15%694000万㌦を記録した。ヒット作にめぐまれたA&Eやディスカバリー・チャンネルなどの視聴率が好調だったうえ、NBAのプレーオフ戦を中継したタイムワーナー傘下の総合編成局TNTが高視聴率を記録、ボーナス的な広告費が転がり込んだことが大きい。

 

ちなみに、躍進を続けるスペイン語放送向けの広告費は同6%増となる158000万㌦を獲得した。

 

総広告費(358億㌦)に占めるテレビ広告費は約51%だった。

 

一方、10大広告主の同期広告支出額は221億㌦と前年同期比4%増となった。広告主トップは前年比横ばいながらも382000万㌦を支出した小売業界。2位には前年比7%363000万㌦を支出した自動車業界。これに前年比20%増もの広告費を費やした通信業界が236000万㌦で続いた。

 

<テレビ朝日アメリカ 北清>