24時間プロレス専門サイト誕生へ

米プロレス団体大手、ワールド・レスリング・エンターテイメント(WWE)が24時間プロレス専門インターネット放送局(サイト)を立ち上げることになった。現在ペイ・パー・ビュー(イベントや番組ごとに有料で視聴)でしか見られない年間を通じて最大のイベントである『レッスルマニア』やプロレス・ドキュメンタリーなど様々な番組を編成、WWEが抱える膨大なライブラリーにアクセスできるオンデマンド・サービスも合わせて提供する。月額999㌣の有料サイトとして224日にデビューの予定。パソコンはもとより、スマホやタブレット型情報端末、そしてプレイステーションなどのビデオゲーム機、さらにはインターネット接続機能を備えたテレビ受像機“スマートテレビ”などで視聴できるという。

昨年春には独自のケーブル局立ち上げ計画が明るみに出たが、WWEのイベントは現在、コムキャスト傘下NBCユニバーサルのケーブル局USAネットワークやSyFy(サイファイ)チャンネルなどに番組販売されていて、それぞれドル箱番組になっているのが現状。“重要なお客さん”を刺激したくないとの配慮も働きネットサイトを先行させた模様だ。

また、若者の間でケーブル局などを送信するペイテレビ(CATV、衛星放送、電話会社IPテレビ)を解約する、いわゆる“コードカッティング”の動きが顕著になっていることもネットへの進出を後押しした嫌いがある。インターネット配信番組の視聴になんの躊躇もないのが若者層。ネットサイトなら広告主が重視する同層を取り込むとともに独自運営が可能、売上を独占できるメリットにも着眼したようだ。テレビ番組や映画のネット配信で会員3000万人超と爆発的な人気を博している動画配信サービス、ネットフリックの成功に触発された動きとも言えそうだ。

同サイトは米国内ばかりでなく、イギリス、カナダ、、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、香港でも展開され、年末までにはスカンジナビア諸国でも利用が可能になる予定。

WWEのペイ・パー・ビュー・サービスを提供する衛星放送大手ディレクTVからは早くも「関係を見直さざるを得ない」などと、反発が出ているが、 WWE側は「新サービスは新しいプロレス・ファンを開拓し、ディレクTVにも恩恵をもたらす」とかわしている。WWEは新サービスに300万人が加入すると予想、35000万㌦の新収入を見込んでいる。

<テレビ朝日アメリカ 北清>