ディズニー、10-12月期は大幅増益

米娯楽・メディア大手ウォルト・ディズニーの20131012月期の決算は、特に映画部門が大きな成果を挙げ純利益は昨年同期比33%増にもなる18億㌦4000万㌦を記録した。売上高は9%増の123億㌦と大方の予想を上回る好調ぶりをアピールした。ディズニーのブランド力が映画やテーマパーク、さらにはインタラクティブ部門などに相乗効果をもたらした結果だ。

絶好調だった映画部門は、世界的な大ヒット作となった新作アニメ映画『アナと雪の女王』の興行成績が87000万㌦を超えたほか、スーパーヒーロー映画続編『マイティ・ソー・ダーク・ワールド』も63500万㌦超の売上となるなど貢献した。昨夏同社が公開した『ローン・レンジャー』が不発に終わるなど投資家の間から“極めてリスキーなビジネス”などと懸念が寄せられることもある映画事業だが、同社最高経営責任者(CEO)ロバート・アイガー氏は決算報告の中で「大型予算をつぎ込めば大きな収益につながる、という戦略が正しいことが証明された」と自信を深めた様子。ちなみに、アナと雪の女王の制作費は宣伝費も含め3億㌦が掛かった模様だが世界市場での総売り上げは10億㌦を超えると見られている。映画部門全体の売上高は23%増となる19億㌦。営業利益は前年同期比75%増にもなる4900万㌦だった。

最も売上高の大きかったのが放送部門。売上高は4%増の53億㌦。営業利益は20%増となる15億㌦を記録した。圧倒的な人気を誇るスポーツ専門局ESPNが引き続き好調でケーブル局グループをけん引した。同部門の売上高は6%増となる38億㌦。営業利益も34%増となる13億㌦をもたらした。

一方、地上波テレビグループはABCネットワークが持ちこたえたものの、番組販売が不調だったことや直営局の広告収入が落ち込んだことが響いて同部門の売上高は2%減少となる15億㌦。営業利益は32%も落ち込む17800万㌦に終わった。

テーマパーク部門を見ると、現金やチケットが不要になるリストバンド型の「MyMagic+」システム導入費に経費が嵩んだものの、入園者数の増大と園内におけるキャラクター商品や飲食物の売り上げが増え同部門売上高は6%36億㌦。営業利益は16%増となる67100万㌦と健闘した。

また、インタラクティブ部門は日本市場におけるディズニー・ブランドの携帯電話販売が好調だったこともあり、同部門営業利益は前年同期の900万㌦から5500万㌦へと大幅増益を記録した。

 

<テレビ朝日アメリカ 北清>