ネットフリックスがトーク番組 

テレビ番組や映画などのストリーミング配信会社として圧倒的な人気の「Netflix(ネットフリックス)」が人気コメディアン、チェルシー・ハンドラ―氏と番組出演契約を結んで話題を呼んでいる。米TV界を代表する長寿番組である深夜トーク番組のオリジナル版がインターネット番組として登場すること、ネットフリックスのオリジナル番組は全シリーズが一挙に公開されることが定番になっているが、同番組は定期的に配信されるなど、“初めてづくし”だからだ。

ハンドラ―氏は現在、米メディア企業大手NBCユニバーサル傘下の若者向けエンターテイメント専門ケーブル局「E! Network」の深夜トーク番組「チェルシー・レイトリー」(米東部時間週日23時)のホストを務めている。深夜トーク番組は1940年代から続く米地上波テレビ界を代表する長寿番組で、「アメリカ人がいつも寝不足なのは、深夜トーク番組があるから」などと評されるほど。その日の出来事におもしろおかしく論評を加えるコメディー風時事評論番組で、米文化の一部になってきた。最近はケーブル局も同様な番組を編成するようになっている。司会者は圧倒的に男性が多い同番組で、ハンドラ―氏は唯一の女性司会者としても知られている。

ネットフリックスではハンドラ―氏の番組を2016年からスタートさせたいとしているが、番組を毎日配信するのかなどの詳細は決まっていないという。ネットフリックスの広報担当、カレン・バラガン氏は米報道機関とのインタビューで、「この番組は時事を扱う番組なので、これまでのネットフリックスの方針だった、シリーズ全編を一挙に配信することはありえない」と言明している。

ちなみに、深夜トーク番組は、NBCの番組『ザ・トゥナイト・ショー・ウィズ・ジェイ・レノー』の司会者、ジェイ・レノーしが今年2月に降板したほか、30年間にわたり深夜トーク番組の司会者を務めてきたディビッド・レターマン氏(現在、『レイト・ショー・ウィズ・ディビッド・レターマン』の司会者)が来シーズンをもって引退することが発表されるなど、世代交代が行われている最中だ。

ところで、ネットフリックスのトーク番組採用については、「番組が成功すれば固定ファンを掴むことが出来るうえ、制作費も廉価なのが魅了だ」(同社広報部)という事情もあるようだ。同社の2014年番組制作予算は30億㌦にも達するという情報もある。

<テレビ朝日アメリカ 北清>