米ケーブル局の10月月間(9月29日-10月26日)視聴率トップ10の結果が出た。ニールセン社が視聴率を測定するケーブル局は105-108チャンネルほどあるといわれる中、最も人気のあった番組はAMCネットワークが10月12日に放送した『The Walking Dead(ザ・ウォーキング・デッド)』だった。平均視聴者数2330万人に達し、他番組を寄せ付けない強さを見せつけた。19日の放送でも視聴者数が1510万人を獲得し第2位に食い込んだ。トップ10に同番組の3エピソードがランクされている。
同番組はゾンビ(死んだ人間)がはびこるアメリカを舞台に生存者たちがゾンビと戦いながら安住の地を求めている姿を描くホラー・ドラマ。今年で5シーズン目に突入。広告主がターゲットにする若者視聴者の心をしっかり掴んでおり、地上波テレビも含めスポーツ番組を除く全テレビ番組中で最多視聴者数を獲得する日が珍しくないほどだ。圧倒的な人気ぶりは当面衰える気配を感じさせない。
このほか、スポーツ専門局ESPNが毎週月曜日に放送したNFL(米プロフットボール協会)試合の中継番組『マンデーナイト・フットボール』がトップ10位内に4番組ランクされており、ウォーキング・デッドとマンデーナイトがトップ10をほぼ独占しているのが特徴だ。
チャンネル別で見ると、プライムタイム(午後8時-11時)視聴率王に輝いたのがESPN。月間平均視聴者数は323万人だった。これにタイムワーナー傘下の総合編成チャンネルTBSが219万人で2位。家族向けディズニー・チャンネル(181万人)、NBCユニバーサル傘下の総合編成チャンネルUSAネットワーク(177万人)などが続いた。
全日視聴者数では、ディズニー・チャンネルが平均123万人で第1位。これにESPNの121万人。子供向けのニコロデオン(119万人)、若者向けアニメ番組などが中心のアダルト・スイム(111万人)などがランキング上位につけている。
ニュース専門局を見ると、相変わらず断トツだったのが、Foxニュース・チャンネル(FNC)。同月プライムタイム平均視聴者数160万人を獲得、2位MSNBCの48万9000人、3位CNNの47万人、4位HLNの31万1000人をまったく寄せ付けない強さを見せた。ニュース専門局で広告主が重要視する25-54歳層の視聴者数では、FNC(28万9000人)、CNN(18万人)、MSNBC(12万人)、HLN(9万人)だった。
ニュース専門局の老舗CNNは現在、視聴率挽回を念頭にプライムタイム編成改革中。