米メディア・娯楽複合企業大手「21世紀フォックス」がこのほど発表した2014年7-9月期決算は、傘下の映画部門とケーブル局部門が貢献し、売上高は前年同期比11.7%と市場の予測を上回る78億9000万㌦を記録した。純利益は同17.4%減となる10億3700万㌦だった。昨年同期は5億㌦相当のオーストラリア政府からの税金払い戻しがあり大幅増益となっている。
増収に大きく貢献したのが映画部門(20世紀フォックス他)。『猿の惑星:新世紀(ライジング)』(邦題)をはじめ、『ザ・メイズ・ランナー』などのヒット作にめぐまれ、同部門の売上高は前年同期比17%増となる24億8000万㌦に達した。猿の惑星だけでも世界市場における興行収入が7億750万㌦を記録している。経済誌「フォーブス」は20世紀フォックスの興行収入は、ディズニー映画部門を上回り世界のトップにランクされたと伝えている。
映画に続いてグループ全体に貢献したのが同社の屋台骨であるケーブル局部門。米大リーグ・チーム「ヤンキース」の試合をほぼ独占放送する「YESネットワーク」の買収や、全国向けのスポーツ専門局「Fox Sports 1」の編成関連費用などがかさんだものの、ニュース専門局「Foxニュース・チャンネル」、若者向けの「FXネットワークス」、地域向けのスポーツ専門局などが好調で、売上高は前年同期比15%増となる32億3000万㌦だった。
また、ペイテレビ事業者(CATV、衛星放送、電話会社)から徴収する配信料収入が同期18%増となったこと。海外市場への配信料収入も8%増となったことも部門成績に寄与した。番組の広告収入も米国内が10%増、海外も13%増と前年同期を上回った。
地上波テレビ部門は、Foxネットワークのプライムタイム番組視聴率が芳しくなく、広告収入は前年同期比5%減少した。このほか、新番組制作がかさんだことや、NFL(米プロフットボール協会)試合放映権の値上がりなどマイナス材料が少なくなかったが、ペイテレビからの再送信料値上がりを獲得したことで、同部門の売上高は前年同期比ほぼ横ばいとなる10億500万㌦だった。
決算報告にあった同社COO(最高執行責任者)のチェイス・ケリー氏は各メディア企業が相次いで発表しているインターネット配信サービスに触れ、「将来の成長に重要かつエキサイティングなサービスとなるだろう」としたものの、消費者のニーズを見極めながら実際の展開は慎重に進めていく考えを示した。