米娯楽・メディア企業大手ウォルト・ディズニーがこのほど発表した2014年9月通期決算は、世界的なヒット作となった映画『アナと雪の女王』などが貢献し、売上高は前年比8%増となる約488億㌦。純利益は22%の大幅増となる約75億㌦と、市場の予測を上回る過去最高の増収増益を記録した。
通期決算における、メディア・ネットワーク部門の売上高は前年比4%増となる211億5000万㌦。ケーブル局グループが同5%増の151億1000万㌦と地上波の同2%増60億4000万㌦をけん引した。
テーマパーク部門の売上高は、前年比7%増となる150億9000万㌦を記録。絶好調だった映画部門は同22%増と72億8000万㌦に達した。消費者向けの商品部門は同12%増となる39億9000万㌦。ビデオゲームなどを販売するインタラクティブ部門は同22%増の12億9000万㌦だった。
同時に発表された2014年7-9月期の決算は、売上高が前年同期比7.1%増となる123億8900万㌦。純利益は同8%増となる14億9900万㌦となった。
同期、売上高が一番伸びたのが映画部門。『ガーディアン・オブ・ザ・ギャラクシー』やアンジェリーナ・ジョリー主演の『マレフィセント』などのヒット作に恵まれたほか、アナ雪関連グッズ人気が寄与し、売上高は前年同期比18%増の18億㌦だった。
また、テーマパーク部門と消費者向け商品部門もそれぞれ売上高が7%増と好調だった。テーマパーク部門の売上高は、入場料値上げにもかかわらず来場者が増えたことなどで、売上高は39億6000万㌦となった。消費者向けの商品部門は映画アナ雪やマレフィセントなどがヒットしたおかげでキャラクター商品などの売上が大きく伸びた。同部門の売上高は10億7200万㌦に達した。ちなみに、アナ雪の衣装は米国内だけでもこれまでに約300万着が売れた模様だ。
ケーブル局や地上波テレビ局などを傘下におく同社基幹事業のメディア・ネットワーク部門の売上高は、前年同期比5%増となる52億2000万㌦。内訳はケーブル局群の37億8000万㌦。地上波テレビが14億4000万㌦だった。人気スポーツ専門局ESPNが放映権料の値上げなどで痛手を受けたが、ペイテレビ(CATV、衛星放送、電話会社)から徴収する配信料の値上げに助けられた。
地上波テレビは、今シーズスタートしたプライムタイム番組の中から人気女優ヴィオラ・デイビス主演ドラマ『How to Get Away with Murder』やコメディー『Black-ish』などヒット作が生まれ、広告収入や再送信料値上げにつながっている。