世界中でインターネットを利用する人の数が新年(2015年)に30億人を突破する勢いだ。世界人口の42.4%に相当する住民が、少なくとも一月に一回はネットを利用するようになるという。米調査会社イーマーケッター(eMarketer)がこのほど発表したもので、今年インターネットを利用した28億9000万人を6.2%も上回るものだ。同社の予測では、18年までに世界人口の約半数に迫る36億人がネット利用者になる見込みだ。
イーマーケッターによれば、ネット利用者急増の背景にあるものが廉価な携帯電話の普及とこれらの携帯電話でアクセスできるインターネット通信網の拡大。こうしたモバイル通信網は、固定電話通信網やブロードバンドを提供するCATVや衛星放送などのインフラが整備されていない国々で拡大中だ。同社の上級アナリスト、モニカ・ピアート氏は、ネット利用人口がピークに達しつつある先進国とは裏腹にインドやインドネシアなどの新興国では18年までにネット利用者数が二桁台の成長を示すと見ている。
同調査によれば、08年時点でネット利用者数が最も多いのが中国で7億7700万人。これにインドの3億4630万人が2位、米国が2億7410万人で3位と続くが、14年時点で日本を追い越したブラジルが1億2590万人で4位にランクされている。日本のネット利用者数は18年に1億540万人となる見込みで、1億2300万にで5位にランクされるインドネシアに次いで6位に位置付けられている。
このほか、ロシアが9660万人で7位、8位には8430万人でナイジェリアが、9位には8040万人でメキシコ。10位には6930万人でフィリピンがランクされている。
なお、若者の間に人気急上昇中の動画配信サービスを楽しむためには高速ブロードバンド通信が必須だが、経済・金融情報サービスを提供するブルームバーグが13年のトップ20ヵ国を列挙している。最も高速なネット環境を提供しているのが香港。ピーク時の通信速度は毎秒63.6メガビット。昨年の速度を29%も上回っていることを指摘している。そして日本が同50メガビットで2位にランクされている。「任天堂やソニーの国日本は、光ファイバー通信網がほぼ全国に行き届いているおかげで高速ネット環境が整っている」と分析している。3位にはルーマニア、4位韓国、5位ラトビアなどと続いているが、米国は同36.6メガビットで11位とトップ10入りを逃している。ちなみに、世界の平均速度は同18.4メガビットとしている。