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ハリウッド外国人映画記者協会(HEPA)が映画及びテレビ番組の優秀作品と出演者などを選ぶ第72回ゴールデン・グローブ賞の発表・授賞式が1月11日、ビバリーヒルズで開催された。授賞式の模様は米地上波テレビNBCネットワークが全国向けに独占中継したが、同賞(映画部門)が2月22日に開催されるアカデミー賞を占う役割を担っているとする見方もあり、世帯視聴率は12.6%(シェア19%)、全体視聴者数1930万人(ニールセン速報)と高視聴率を記録した。7年ぶりの高視聴率だった昨年のものを11%下回ったが、過去8年間では2番目にランクされる健闘ぶりで、アカデミー賞、グラミー賞(音楽作品)に次ぐ人気授賞式生中継番組の名目を保った。
テレビ部門受賞番組では、なんといっても米通販サイト最大手アマゾン・ドット・コムが提供するストリーミング・ビデオ・サービスが放ったオリジナル番組『Transparent』が、コメディー・ミュージカルテレビ部門の作品賞ならびに主演男優賞を獲得したことが注目される。ネット配信番組がゴールデン・グローブ賞の作品賞に輝いたのは初めて。ニューヨーク・タイムズ紙は、「赤ちゃんのおむつからHDテレビまで、米消費者の購入習慣を一変させてしまったアマゾンが、別の業種(テレビ業界)を粉砕しようとしている」などと驚きをもって分析している。
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ネット配信番組は、最大手ネットフリックスの番組『ハウス・オブ・カーズ』(政界スキャンダルドラマ)や『オレンジ・イズ・ザ・ニュー・ブラック』(コメディー)が米テレビ界最高の栄誉とされるエミー賞を受賞するなど、ネットワークテレビ顔負けの独自制作番組を提供するようになってきたが、アマゾンの参入でネット番組の存在感がますます高まることになりそうだ。
一方、かつては絶対的な力を誇っていた地上波テレビ4大ネットワーク(ABC、CBS、Fox、NBC)は今回は無冠に終わった。常勝組有料チャンネルHBOも入選を逃した。かわりに、若者視聴者向け番組に特化したミニ・ネットワークCWのルーキー番組『Jane the Virgin』の主役ジーナ・ロドリゲスがコメディー・ミュージカルテレビ部門の主演女優賞に選ばれたのが特筆される。CWの番組がゴールデン・グローブ賞に輝いたのは開局以来初めてのことだ。
映画では、『Boyhood(6才のボクが、大人になるまで:邦題)』が最高の栄誉とされるドラマ映画部門作品賞や監督賞など3冠に輝いた。