米国で大型TVの売れ行き好調

昨年11月末の感謝祭からクリスマスに渡った米年末商戦で大型テレビの売れ行きが好調だったことがこのほど明らかになった。米消費者調査会社NPDグループによれば、32インチ以下のテレビの売上は前年同期比50%も減少したが、3349インチ型は21%増、5064インチ型は35%増加した。65インチ以上の超大型テレビの売れ行きも好調だったという。

同社は、大型テレビ人気の背景にテレビ視聴習慣の変化を挙げている。顧客アンケートなどを分析した結果、スーパーボウルやアカデミー賞授賞式などビッグ・イベントを家族そろって大きなテレビの前に集まって見る世帯が増えている模様だ。また、大型テレビを購入する人は、ユーチューブなどが配信する簡易ビデオなどを見るつもりはなく、画質にこだわる傾向があり、価格にはそれほどこだわらないことも分かった。

また、大型テレビの売れ行き好調の背景には3D(立体)テレビの不振もあるようだ。米国では不発に終わった3Dテレビをあきらめ、小売店などはHDテレビに集中したキャンペーンを繰り広げたことも手伝っているという。

一方、消費者の間で広がる大型テレビ人気をすばやく嗅ぎ取った小売店サイドは、4Kテレビの販売にも熱心だ。各メーカーが年末商戦に思い切った値下げに踏み切ったことも販売促進につながっている。韓国サムスン電子の55インチ型の4Kテレビを一挙に900㌦カットとなる1298ドルで売り出す小売りチェーンも現れた。

ところで4Kテレビの動向だが、英国の調査会社フューチャーサム・コンサルティングは、世界市場における2014年の4Kテレビの出荷台数は1160万台と前年比700%増を急伸したことを報告している。サッカー・ワールドカップ人気などが後押しした。また、需要増の70%を中国が負っているという。同社によれば西欧諸国の市場占有率は10%、米国8%となっている。

4Kテレビの出荷台数は2015年以降、増加の一途をたどることになり、18年には1億台の大台を超える勢いで、テレビ全体の38%を占めることになりそうだ。

さらに、インターネットへの接続機能が内蔵されたスマートテレビの人気も上昇気流に乗っている。14年に販売されたテレビの半数を超えたほか、18年には82%がスマートテレビとなる見込み。

一方、自分の部屋で一人で番組を見る人はパソコンやタブレット型情報端末を利用するため、小型テレビの需要は目立って少なくなっているようだ。

<テレビ朝日アメリカ 北清>