米娯楽・メディア大手ウォルト・ディズニーがこのほど発表した2014年10-12月期の決算は、売上高が前年同期比9%増となる133億9000万㌦、純利益も同19%増の21億8000万㌦となった。テーマパークや映画部門などが好調だったが、中でも世界中で大ヒット作となったアニメ映画『アナと雪の女王』が引き続き関連グッズの売上で貢献しているのが特筆される。著名なメディア・アナリスト、マイケル・ネイサンソン氏が、「ディズニーは決算報告のたびに市場予測を上回る結果を一貫して出せる唯一のメディア企業だ」と評するなどウォール街からは惜しみない賛辞が送られている。市場も好感し、決算が発表されると同社の株価は一時5%上昇した。
傘下すべての部門で増益となったが、特に貢献度が目立ったのが消費者向けの商品部門。なんといっても『アナと雪の王女』人気が際立っているが、『ガーディアン・オブ・ザ・ギャラクシー』や『スパイダーマン』などを含めた人気映画全体のキャラクター商品販売が引き続き好調で、同部門の売上高は22%増の13億7900万㌦。営業利益は前年同期比46%増となる6億2600万㌦を記録した。同社では3月公開予定の『シンデレラ』や5月に封切られる『アベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン』の関連グッズ売上にも大きな期待を寄せている。
テーマパーク・リゾート部門を見ると、日本や香港などアジアにおけるテーマパークが低迷したものの、米国内のパークが好調だったことで、同部門売上高は9%増の39億1000万㌦。営業利益は前年同期比20%増の8億500万㌦となった。
一点の不安材料は基幹事業であるケーブル局部門。グループ全体の屋台骨的存在であるスポーツ専門局「ESPN」の不振が足を引っ張った格好になった。若干視聴率に陰りを見せたうえ、特に高騰をつづけるNFL(米プロフットボール協会)試合の放映料が負担になっている。
ただ、米ペイテレビ(CATV、衛星放送、電話会社)各社からの番組配信料が増収となったことや、海外テレビ市場からの広告収入が増大したため、ケーブル局全体の売上高は11%増の41億7000万㌦。地上波テレビABCネットワークは、人気プライムタイム番組のシンジケート販売が寄与し、売上高は11%増の16億9000万㌦となった。ケーブル局と地上波テレビを合わせたメディア・ネットワークス部門の売上高は11%増の58億6000万㌦、営業利益は3%増となる14億9500万㌦だった。