アカデミー賞、過去6年で最低の視聴率

米国の映画芸術科学アカデミー(AMPAS)が毎年、最優秀映画作品、俳優、監督たちに授与する「アカデミー賞」の発表と授賞式が222日、ロサンゼルスで開催された。今年で第87回目となる授賞式の模様は米娯楽・メディア企業大手ウォルト・ディズニー傘下の地上波テレビABCネットワークが特別番組を編成、午後8時半(米東部時間)から4時間近くにわたって独占放送した

ニールセン社の速報によれば平均視聴者数は3730万人と、過去6年間で最低の記録。10年ぶりの好記録を樹立した昨年に比べ15%も減少となる低調な結果に終わった。世帯視聴率は25%(シェア38%)だった。

視聴率低下の要因について、「各部門にノミネートされた作品がいずれも興行成績4000万㌦以下のものばかり。ハリウッドの玄人が選んだ結果、一般受けするものが少なかった」などと分析する向きもある。ちなみに、作品賞候補作の中で興行収入が1億㌦を超えたヒット作は『アメリカン・スナイパー』と『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』のみだった。

また、初めて司会者に抜擢されたコメディアン、ニール・パトリック・ハリス氏が「退屈だった」(Foxニュース)ことや授賞式が米東海岸で深夜零時を超えるほど長引いたことも視聴率低下に寄与した模様だ。

一方、ABC30CMに課した値段は昨年比8%増となる平均195万㌦。例年より早く完売したうえ、スポットによっては200万㌦を超える活況ぶりだった。米国ではテレビ全体の視聴率が低下傾向にあるが、昨年の同番組視聴率が好記録だったほか、人気生番組に対する広告主の需要が極めて高いためABCが強気の姿勢を貫いた結果だ。また、生番組はソーシャルメディアを使った視聴者間の会話を誘うため付加価値を見出す広告主が多いほか、なんといってもCM飛ばし視聴ができないことが魅力となっている。同番組のCM総売上高は1億㌦超となった模様。

ところで、アカデミー賞最高の栄誉である作品賞にはアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』が選ばれた。同作品は作品賞に加え監督賞など4部門でオスカーを獲得した。長編アニメ部門にノミネートされていた高畑勲監督の「かぐや姫の物語」は受賞を逃した。

 なお、番組の模様はインターネット上でもサイマル中継され、ペイテレビ(CATV、衛星放送、電話会社)加入者がパソコンやスマホなどで視聴した。

<テレビ朝日アメリカ 北清>

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