地上波テレビCBSネットワークや有料チャンネル「Showtime(ショータイム)」などを傘下に置く米メディア企業CBSコーポレーションがこのほど2014年10-12月期決算を発表した。昨年放映権を取得したNFL(米プロフットボール協会)試合中継番組や中間選挙のおかげで広告収入が増えたことなどから売上高は市場予測を上回る前年同期比3%増の36億8000万㌦となった。ただ純利益は特にNFL中継番組『サースデーナイト・フットボール』の放映権料(2億7500万㌦)が負担となり前年同期比12%減の4億1300万㌦だった。
同社はCBSネットワーク、番組制作会社CBSテレビジョン・スタジオ、配信会社CBSグローバル・ディストリビューション・グループなどからなるエンターテイメント部門。ショータイムやスポーツ専門局「CBSスポーツ・ネットワーク」などを抱えるケーブル・ネットワーク部門。サイモン&シャスターを主とする出版部門。ローカルテレビ局とCBSラジオからなるローカル・ブロードキャスティング部門に分かれている。稼ぎ頭のエンターテイメント部門の売上高は2%増の22億6000万㌦と、グループ全体の6割強を占める存在感を示しているが、最も貢献したのがCBSネットワーク。高視聴率を獲得したサースデーナイト・フットボールが大幅な広告収入拡大につながった。
ショータイムやCBSスポーツ・ネットワークが好調だったケーブル・ネットワーク部門の売上高は5%増の4億9900万㌦。出版部門は番組関連出版物販売などが低調だったことから売上高は前年同期比4.4%減となる2億1500万㌦だった。一方、ローカル・ブロードキャスティング部門は中間選挙があったことでCM収入に恵まれたことやペイテレビ事業者(CATV、衛星放送、電話会社)からの再送信料収入が増えたことから売上高は9%増となる7億8500万㌦とグループ全体に大きく寄与した。
決算発表にあたって同社CEO(最高経営責任者)レスリー・ムンベス氏は、「米国で最もよく見られているプライムタイム番組に加え、来シーズンも放映権を獲得したサースデーナイト・フットボールがさらなる再送信料収入をグループ全体にもたらすことになる」と胸を張った。同社では2020年までに再送信・配信料収入が年間20億㌦に達するとの見方を示している。
また、ムンベス氏は来年CBSが放送するスーパーボウルにも触れ、「同番組で放送される30秒CMの価格は500万㌦あるいは600万㌦も夢ではない」と鼻息が荒い。