ディスカバリー創設者も追随
ソニーは3月18日、インターネット経由でテレビ放送を再送信・配信する有料サービス『PlayStaion Vue(プレイステーション・ビュー)』(以下、PSビュー)をスタートしたと発表した。PSビューに加入すれば、地上波テレビCBSネットワーク、Foxネットワーク、NBCネットワークのほか、ケービル局USAネットワークやTBS、さらにはニュース専門局Foxニュース・チャンネルなど50チャンネル以上を、CATV、衛星放送、電話会社が提供する映像サービス「ペイテレビ」加入者と同様、リアルタイムで視聴することが出来る。放送後の番組を検索機能を使って見逃し視聴ができるオンデマンド・サービスも合わせて提供する。
ソニーは、高額加入料を嫌ってペイテレビ・サービス解約に踏み切る若者を中心とした“コードカッター”とブロードバンドのみに加入する約1000万世帯の取り込みを狙ている。しかし、PSビューの月額料金が49.99㌦と他SVOD(有料オンデマンド)サービスなどにくらべ高額、プレイステーション保有が条件になること、4大ネットワークの一角ABCネットワークや人気スポーツ専門局「ESPN」が含まれていないことがハンディになる可能性もありそうだ。
PSビューは当面、ニューヨーク、シカゴ、フィラデルフィアの3市場に限定。段階を追って全米展開をする予定。アップル社のタブレット「アイパッド」でもアクセスが可能になるという。
また同日、科学やテクノロジーなどのテーマに特化したノンフィクション番組を提供するSVODサービス『CuriosityStream(キュリオシティー・ストリーム)』も登場した。同サービスはドキュメンタリー番組専門局「ディスカバリー・チャンネル」の創設者ジョン・ヘンドリックス氏が立ち上げたもの。月額料金はSD(標準画質)版が2㌦99㌣、720pHD(高精細度画質)が3㌦99㌣、1080pHDが5㌦99㌣、4K版が9ドル99㌣に設定された。キュリオシティーが保有する800タイトルの番組に加え、NHKや英BBCなどが制作するオリジナル作品も視聴できるようになるという。
ディスカバリーの会長を昨年5月に退任したヘンドリック氏は、相次ぐネット上の番組配信サービス立ち上げについて、「これは革命だ。(テレビ視聴方法に)地殻変動が起き始めている」と語っている。
米国では昨年暮以来、インターネット・テレビサービスの立ち上げが目白押し。アップル社などもPSビューに似通ったサービスを予定している。