男子ゴルフの今季メジャー第1戦「マスターズ・トーナメント」は12日、米ジョージア州オーガスタ・ナショナル・GCで最終ラウンドが開催された。試合の模様は例年通り地上波テレビCBSネットワークが独占中継(午後2時-7時16分)したが、ニールセン社によれば平均視聴者数は昨シーズン比26%の上昇となる1400万人に達した。世帯視聴率も6.5%(シェア16%)と2011年以来の高視聴率を獲得した。第3ラウンド(11日)の平均視聴者数も昨シーズン比51%増の890万人を記録した。
ちなみに、9-10日に行われた予選ラウンドの模様はウォルト・ディズニー傘下のスポーツ専門局「ESPN」が独占中継したが、9日(木曜日)の視聴率は2.1%(平均視聴者数300万人)、10日(金曜日)は同2.2%(320万人)といずれも昨シーズンを大きく上回った。
試合は、米国の新星ジョーダン・スピース(21歳8ヶ月)が、タイガー・ウッズ(39歳)(米国)が1997年(当時21歳3ヵ月)に樹立した大会史上最少スコアに並ぶスコアで初優勝。史上2番目の年少優勝を飾った。復調の兆しを見せたタイガーは17位だった。
高視聴率の背景を探ると、初日から首位を独走したスピースの存在が欠かせないが、腰痛でトーナメントを離れていたタイガーの久方ぶりの登場が大きく寄与したと言えそうだ。
不振続きのタイガーに世代交代が取りざたされる昨今だが、ファンはタイガーの復活に大きな期待を寄せていることが今回の視聴率に如実に表れていると言えよう。
かねてからタイガーが優勝争いに絡むトーナメントは視聴率が1-2%ほど上昇すると言われているが、昨年のマスターズはタイガーが怪我で出場を断念したおかげでCBSの視聴率は10年ぶりの落ち込みとなった。タイガー不在の試合に背を向けたファンが多かったからだとスポーツ専門家らは分析している。
今回は当初参戦が不安視されていたが、出場を発表すると視聴率のほかにもちょっとしたタイガー効果が表れた。観戦チケットの値段が急上昇したり、会場周辺のホテル料金の値上がりなどが報じられた。なにせ「タイガーを知っている」と答える米消費者は全体の97%。ミッシェル・オバマ米大統領夫人やタレントのマドンナと並ぶ知名度。スピースに並び、タイガーの後継者と目される世界ランキング・ナンバーワンのロリー・マキロイ(英国)の40%を大きく引き離している。タイガーの存在感にはまだ格別のものがある。