米テレビ界の2014-15年シーズンが5月で終了した。地上波テレビ4大ネットワーク(ABC、CBS、FOX、NBC)のプライムタイム(午後8-11時)の成績を見ると、広告主が重要視する視聴者層(18―49歳)でトップとなったのが、NBCネットワーク。2シーズン連続の快挙だ。同層のシーズン平均視聴率2.4%を獲得した(ニールセン速報)。
NBCに次いだのがCBSネットワークで同平均視聴率は2.3%。これにABCネットワークが2.2%で続き、最下位はFOXネットワークの1.9%だった。
また、世帯視聴者数ではCBSが7シーズン連続の王座につき圧倒的な強さを見せつけた。同ネットワークの平均視聴者数は1125万人。2位のNBC863万人に大差をつけた。これにABCが796万人で3位と続き、FOXは582万人で最下位だった。
NBCは、相変わらず圧倒的な強さを見せているNFL(米プロフットボール・リーグ)試合中継番組『サンデーナイト・フットボール』(SNF)が大きく貢献した。また今年、放送の順番が回ってきた『スーパーボウル』も大きく寄与した。若干人気が下火になっているが、オーディション番組『ヴォイス』や大型サスペンス・ドラマ『ブラックリスト』も健闘した。
CBSを見ると、今季限定の独占放映権を獲得したNFL番組『サースデーナイト・フットボール』(TNF)が大きく寄与した。犯罪捜査ミステリードラマ『Scorpion/スコーピオン』がヒット作になったほか、相変わらず根強い人気の『NSIC~ネイビー犯罪捜査班』や米コメディー番組『ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則』などベテラン番組が安定した強さを発揮している。
ABCネットワークは、今シーズンからスタートしたリーガル・サスペンスドラマ『How To Get Away With Murder』がシーズン初頭、ルーキー番組ナンバーワンの活躍を見せ全体に貢献した。また、黒人家族を中心にしたコメディー番組『Black-ish』や中国からの移民家族を描いたコメディー『Fresh Off the Boat』なども人気を博し、様々なマイノリティー・グループ向けの編成戦略が功を奏したかたちとなった。
最下位に終わったFOXネットワークは、今年1月のミッドシーズンにデビューさせたヒップホップ・ドラマ『Empire 成功の代償』が予想外の大ヒット作となったほか、大型予算を投入したバットマンのスピンオフ番組『Gotham(ゴッサム)』が健闘したものの、かつて米テレビ界を代表する“お化け番組”だった『アメリカン・アイドル』が不振から脱却できずに終わったのが痛かった。