アメフト番組が圧倒

201415年シーズンが5月で終了した。今シーズンに登場したリーガル・サスペンスドラマ『How to Get Away With Murder』(ABCネットワーク)やバットマンのスピンオフ・ドラマ『Gotham(ゴッサム)』(Foxネットワーク)などがヒット作になったうえ、シーズン途中(ミッドシーズン)に登場したFoxのヒップホップ・ドラマ『Empire 成功の代償』が予想外のブレークとなるなど、ネットワーク関係者は「既存メディアの底力を示すことができた」と一様に胸をなでおろしている。

広告主が重要視する1849歳層の視聴率ランキング(表)を見ると、今シーズンもNFL(全米プロフットボール協会)主催の中継番組が圧倒的な強さをアピールした。同層視聴率ナンバーワンの座を射止めたのがNBCNFL番組『サンデーナイト・フットボール』(日曜夜)。平均視聴率は7.3%だった。そして2位にはCBSNFL番組『サースデーナイト・フットボール』(木曜夜)が5.9%2位にランクされた。

特筆すべきはFOXの『Empire 成功の代償』が一躍3位に躍り出たこと。同番組はデビュー以来視聴率が一度も下がることのない右肩上がりのカーブを描くという米テレビ史上でも比類のない人気を博した。

同番組のシーズン平均視聴率は5.0%に達した。これにCBSの長寿コメディー番組『ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛放送』が4位、5位にはABCの看板コメディー番組『モダン・ファミリー』がランクされるなど、コメディー番組も健闘している。

また、かつては上位を独占していたオーディション番組の不振が目立つ。若干精彩を欠いているNBCのオーディション番組『ヴォイス』が5位、7位に食い込んでいるが、米テレビ界を凌駕したFoxの『アメリカン・アイドル』がトップ10入りを逃しているのが象徴的だ。

広告主が重要視する同層の視聴率トップ21には、CBSが最多の9番組がランクされたほか、ABC8番組と大健闘した。逆にNBC4番組、FOX6番組に留まている。

世帯視聴者数の番付表を見ると、こちらもトップだったがのがSNFNBC)。平均視聴者数2069万人を獲得した。そして1849歳層では2位だったTNFを抑えて2位に食い込んだのがCBSの長寿番組『NSIC~ネイビー犯罪捜査班』、平均視聴者数は1749万人だった。6位にはABCのダンスコンテスト番組『Dancing With the Stars』、またCBSの報道番組『60ミニッツ』が9に入るなど、若者視聴者層の視聴率番付と順序が入れ替わっている番組が少なくない。

<テレビ朝日アメリカ 北清>