米ニューヨークの劇場地区ブロードウェーの業界団体ブロードウェー・リーグはこのほど5月24日で終了した2014-15年シーズンの興行成績が過去最高記録を樹立したと発表した。同団体によれば、この1年間に上演されたミュージカルや演劇(芝居)の興行収入は、前シーズン比7.6%増となる13億6500万㌦に達した。
また、観客動員数は前シーズン比7%増の1300万人を超え、こちらも過去最高記録。動員数は2013-14年シーズンに比べ13.3%も増える活況ぶりで、ニューヨーク及びニュージャージー州に本拠地を置くスポーツ・チームが集めた観客動員数を上回るものとなった。
対象となったのはブロードウェーにある40劇場。今季は37に上る新作が公開されたことも人気を引き寄せる要因となった。内訳は、新作10、リバイバル5、合計15のミュージカル。演劇のほうは、新作11、リバイバル9となる合計20作品が公開された。
作品内容が多岐にわたったことや、テレビ映画界の人気俳優、ブラッドレイ・クーパーや、アカデミー賞女優助演女優賞に輝き大英帝国勲章を受勲しているヘレン・ミレンなど大物スターが登場したことも客足を誘った模様だ。
そして、興行回数が格段に増えたことも功を奏した。今シーズンはブロードウェー全体で延べ1626週分の興行が行われたが、これは前シーズンを8.7%も上回る数で、観客が劇場に行きやすい環境となった。
一般入場料が値上げされたことも全体の興行成績に大きく寄与した模様。ウォールストリート・ジャーナル紙の調べでは、チケットは、最低料金の平均が48㌦。プレミア料金は477㌦にも上ったという。
このほか、ブロードウェーが好調だった要因として、ニューヨークを訪れた観光客が増大したこと、経済復活の兆しが明確になったことなどが挙げられている(ニューヨーク・タイムズ紙)。昨年ニューヨークを訪れた観光客は、これまでの最高となる5640万人。ブロードウェー客の70%が観光客で占められたという。
ちなみに、興行成績トップだったのが『ライオン・キング』。昨シーズンのチケット売上は1億190万㌦に上った。目下ロングラン記録は『オペラ座の怪人』が保有している。
なお、ブロードウェーでは、渡辺謙さん主演のミュージカル「王様と私」が4月に本公演を開始。渡辺さんは、演劇界最高の栄誉であるトニー賞のミュージカル主演男優賞にノミネートされていたが、惜しくも落選した。