5月で終了した米テレビ2014-15年シーズン(今シーズン)は米地上波テレビ4大ネットワーク(ABC、CBS、FOX、NBC)にとって、『How to Get Away With Murder』(ABCのリーガル・サスペンス)や『Empire 成功の代償』(FOXのヒップホップ・ドラマ』など久方ぶりに新番組の活躍が目立ったシーズンだった。だが、プライムタイム番組全体の視聴率は極めて不調だったことが明らかになった。
特にドラマ番組が不振で、ニールセン社が測定した放送時と当日の見逃し視聴を含む「Live-plus-same-day(ライブ・プラス・セームデー)」平均視聴率は広告主がターゲットにしている若者層(18-49歳)で1.9%に留まった。昨シーズン比5%減、2012-13年シーズン比17%も減少する憂慮すべき状態となった。
また同視聴率の低下は、番組がキャンセルされるか否かのハードルを低くすることにもつながっており、人気のない番組が生き残り、さらなる視聴率低下につなる悪循環を招くことを懸念する向きもある。
ネットワークテレビの全ドラマ番組の平均視聴率が3%台を超えていたのは2011-12年シーズン。番組が次のシーズンに生き残れるためには最低2.5%の視聴率獲得が必要だった。それが今シーズンは、キャンセルに追い込まれるボーダーラインが1.1%(視聴者数140万人)にまで下がっているという。
ネットワーク別で見ると、最もキャンセル番組が少ないのがCBSネットワーク。米コメディー番組ナンバーワン番組となっている『ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則(邦題)』や根強い人気を誇る犯罪捜査ドラマ『NSIC~ネイビー犯罪捜査班(邦題)』など豊富な長寿番組のおかげで、2011-12年シーズンから今シーズンまでに放送が続投された番組数は65にも上る。そして、これらの番組の平均視聴率は2.5%(18-49歳層)を確保している。
正反対なのがNBCネットワーク。4シーズンにわたり生き残った番組はわずか34本。キャンセルされた番組は44本にも上る。続投された番組の平均視聴率は1.7%と、CBSの2.5%を大きく下回っている。また、キャンセルされた番組の同層平均視聴率も1.1%とCBSの1.8%を下回っている。
もちろん、制作コストの低い番組はキャンセルされにくかったり、制作スタジオがすでに番組再販に成功している場合などは、番組が生き残る可能性が高くなるケースもある。しかし、基本的には同層視聴率が番組の成功度を決定する尺度であることに変わらない。