米プロバスケットボールの王者決定戦「NBAファイナル」(7回戦制)の第6戦が16日、オハイオ州クリーブランドで行われ、カリフォルニア州のゴールデンステート・ウォリアーズがクリーブランド・キャバリアーズを105対97で破り、通算4勝2敗で40年ぶり4度目の優勝を果たした。
NBAファイナルの模様は、地上波テレビABCネットワークが独占中継したが初戦から最終戦までの平均視聴率は昨シーズン比26%増となる11.6%、平均視聴者数は2000万人に迫り(ニールセン社速報)同ネットワークにとって過去最高の記録となった。ABCはNBAファイナルの放映権を2002年以来保有している。
また、広告主が重視する若者視聴者層(18-49歳)の平均視聴率は7.6%に達し、2004年(ピストンズ対レイカーズ)以来の記録となった。NBAを代表するスーパー・スター、レブロン・ジェームズ選手(キャバリアーズ)の活躍ぶりなどにファンがくぎ付けになった。
スポーツ関連サイトiSpot.tvによれば、ABCが6戦で得たCM収入は約2億2400万㌦。夏休みを狙い新作を公開している映画会社などがスポンサーとして殺到した。
広告業界誌アドバタイジング・エイジは、予想以上の高視聴率となったことで、「ABCとともに広告主にも大きな配当が支払われた」と解説している。ちなみに、iSpot.TVは、試合が最終戦(第7戦)にもつれ込んでいれば、さらに4500万㌦の広告収入がABCに転がり込んでいたはずだ、と試算している。
米プロバスケットボール協会(NBA)は昨年暮れ、米メディア企業ウォルト・ディズニーとタイムワーナーとの間に結んでいる独占放送契約を更新したと発表。NBAが両社から勝ち取った放映権料は2016-17年シーズンから9年間で推定総額240億㌦に達した。年間平均26億6000万㌦。現行契約料金9億3000万㌦の約3倍にも達する大型契約の誕生となり、当初予想されていた倍額レベルを大幅に上回るものとなった。
NBAはディズニー傘下の地上波テレビ「ABCネットワーク」とスポーツ専門局「ESPN」、タイムワーナー傘下のケーブル局「TNT」との間に独占放映契約を結んでいるが、8年契約が終了する2015-16年シーズンを待たずに前倒しの契約締結に踏み切った。放送事業者にとってスポーツ番組は高視聴率イコール高額なCM料金を稼いでくれる“お宝番組”。NBA側は、“目を疑う権料”(市場関係者)を突きつけても両社が放送権死守の覚悟で臨んでくることを見抜いていたようだ。