メディア利用時間は8時間超

2015年における世界の消費者によるメディア利用時間は一日当たり8時間を超える情勢だ。世界第3位の広告会社仏ピュブリシス・グループ傘下の「ゼニスオプティメディア」がこのほど発表した調査報告によれば、人々がテレビやインターネットなど様々なメディアを利用する時間は一日平均492分に達するという。14年の485分から1.4%増となる。上昇は主に、インターネット利用によるもの。ネット利用時間は昨年比11.8%の上昇を示すという。

全メディアの利用時間は、2010年の461.8分(一日)から14年の485.3分と5.1%上昇。年平均では1.2%の上昇を見せている。一方、インターネットの利用時間は10年には59.6分だったものが、14年には109.5分とほぼ倍増していて、他媒体を圧倒する利用時間の拡大ぶりを示している。

逆にインターネット以外のメディア媒体利用時間は10年の402.2分から14年の375.8分と減っている。

同社ではメディア全体の利用時間が14年から17年にかけても増え続け、17年には506.0分(一日当たり)に達すると見ているが、主にインターネット利用時間の増大によるものだ。ネット利用時間は14年以降年平均9.8%の上昇を見せ、17年には144.8時間に達する。全メディア中に占める割合は28.6%に迫る勢いだ。

これに対し、既存メディアの利用時間は屋外広告を除きすべて下降線を辿る模様。ただ、下降線をたどるとはいえ、圧倒的に人気なのがテレビ視聴。14年にテレビ視聴時間に費やされた時間は一日当たり183.9分とインターネット接続時間の109.5分に大きく水をあけている。10年には全メディアの42.4%がテレビ視聴時間で占められていたが、14年に37.9%に減少。その後も緩やかな下降線を描いていくが、17年には引き続き全体の三分の一(34.7%)を超す時間がテレビで占められるという。

最も利用時間が減少するのが、新聞。新聞を読む時間は、10年から14年には25.6%も減ってしまった。同社では新聞がインターネット普及による最大の犠牲者として捉えている。新聞につぐのが雑誌。雑誌を読む時間は19%減少した。

一方、既存メディアの中で唯一利用時間が増えるのが屋外広告。同広告への接触時間は2010年の106分から14年の107.2分とわずかながらも増加した。14年以降も17年まで年平均0.2%増となる。

同調査は、65ヵ国を対象に、2014年から17年にわたり、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、映画館、インターネット、屋外広告の利用状況の変貌ぶりを調査した。

<テレビ朝日アメリカ 北清>