
米メディア王の一人、サムナー・レッドストーン氏(91)が率いる米メディア企業「CBSコーポレーション」と「バイアコム」が相次いで2015年4―6月期決算を発表した。世帯視聴率王地上波テレビCBSネットワークや有料チャンネル「Showtime(ショータイム)」などを傘下に置くCBSコーポレーションの同期売上高は前年同期比ほぼ横ばいの32億2000万㌦。純利益はラジオ局やローカルテレビ局のリストラ費用などが嵩み前年同期比24%減となる3億3200万㌦だった。レスリー・ムンベスCEOは、投資家への説明文の中で、海外市場向けのコンテンツの充実やインターネットを含む新たな番組配信網の開拓などを通し放送外収入拡大を導く長期的な成長戦略を説明した。CBSはかつて売上高の7割を広告収入に異存していたが、現在では50%レベルにまで下がっているという。
部門別の業績を見ると、CBSネットワークなどを抱えるエンターテイメント部門の売上高は、番組制作費への大型投資や広告収入が2%減になったことで、前年同期比3%減の17億9000万㌦となった。一方、グループ全体に大きく貢献したのがケーブル・ネットワークス部門。特にボクシングの世界ウエルター級王座統一戦(フロイド・メイウェザー対マニー・パッキャオ)をペイ・パー・ビューで放送したショータイムが記録的な収入をもたらしたことが大きく寄与、売上高は19%増となる6億1500万㌦となった。

一方、若者に人気のケーブル局MTVやコメディー・セントラル、さらには子供向けチャンネルの老舗ニコロデオンなど多くのケーブル局群や映画部門(パラマウント)などを傘下に置くバイアコムの売上高は映画部門の不振や広告収入が芳しくなかったことなどから前年同期比11%減少となる30億6000万㌦だった。純利益は3%減5億9100万㌦と減収減益を記録した。
ケーブル局を束ねるメディア・ネットワークス部門の売上高は、ペイテレビから徴収する配信料収入が2%増と健闘したものの、米国内の広告収入が視聴率低下に伴い9%も落ち込んだことが響き前年同期比ほぼ横ばいの26億㌦となった。
映画部門は、前年同期に公開された『トランスフォーマー/ロストエイジ』に見合うヒット作がなかったことから売上高は44%も落ち込む4億7900万㌦に終わった。第3四半期はすでに世界的なヒット作となっている『ミッション・インポッシブル』や『ターミネーター』の新シリーズの興行成績に期待が寄せられている。