米テレビ界は9月に入って新シーズンが始まった。テレビ界の雄、地上波テレビ4大ネットワーク(ABC、CBS、FOX、NBC)はプライムタイム(午後8-11時)において既存番組の新シリーズに加え新番組を9月から10月下旬にかけ五月雨式にデビューさせるが、すでに始まったドラマやコメディー番組に対する視聴者の反応を見る限り、若干低調なスタートとなった。
4大ネットワーク中、3社が新番組をスタートさせた21日夜の視聴率結果を見ると、総力を挙げて番組宣伝を展開したNBCネットワークの新番組『Blindspot(ブラインドスポット)』(午後10時)が平均視聴者数1060万人、広告主が重要視する視聴者層(18-49歳)の視聴率が3.1%と幸先のよいスタートを切った。
ちなみに、同番組は、ニューヨークのタイムズスクエアに放置されたバッグの中から全身に入れ墨をほどこされた正体不明の女性が出現。その入れ墨に様々な犯罪捜査のカギが隠されているという大型サスペンス番組。
これに対し、FOXが大ヒット映画の続編として登場させたSF番組『マイノリティー・リポート』(同日午後9時)の同層視聴率は1.1%、CBSの新コメディー『Life in Pieces』は同2.7%と、華々しいスタートといい難いものとなった。だが、各ネットワークは事前の評判が上々だったこともあり、DVR(デジタル・ビデオ・レコーダー)などを利用した追っかけ視聴で「視聴率が大幅に上がることは間違いない」と強調している。
結局、同夜、4大ネットの全プライムタイム番組が獲得した視聴者数は昨シーズン比7%の減少となった。
一方、ドラマやコメディー番組に比べ絶好調だったのがNFL(米プロフットボール協会)主催の試合中継番組。NBCが9月10日に放送したNFL開幕戦は平均視聴者数2740万人を魅了。開幕戦としては14年ぶりの高視聴率を獲得した。また、13日に放送されたNBCのNFL番組『サンデーナイト・フットボール』も平均視聴者数2680万人を獲得、10年ぶりの記録となった。
加えて、CBSが昨シーズンに続き放映権を得た木曜夜のNFL番組『サースデーナイト・フットボール』初回も、NFLネットワークを合わせ2112万人がチャンネルを合わせ、過去最高記録を樹立した。
米調査会社キャンター・メディアによれば、昨シーズン4大ネットワークのスポーツ番組に転がり込んだ広告費は全体の37%に当たる84億7000万㌦。新シーズンもNFL番組を中心にスポーツ番組が活躍することは間違いない情勢だ。