30秒CM最高額は60万㌦強 

 米テレビ界は9月から新シーズン(201516年シーズン)に突入しているが、プライムタイム(午後811時)のレギュラー番組中に放送されるCM(コマーシャル)料金の推移がこのほど明らかになった。米広告業界誌アドバタイジング・エイジや米エンターテイメント誌ヴァラエティーなどがまとめた推定価格によると、最も高額な30CMが流されるのが地上波テレビNBCネットワークが毎週日曜日に放送するNFL(米プロフットボール協会)主催の試合中継番組『サンデーナイト・フットボール(SNF)』(米東部時間午後9時)。スポット料金は平均623,445㌦から637,330㌦で取引されている模様。昨シーズンに続き“最も高い番組”にランクされた。

 SNFに続くのが地上波テレビFOXネットワークが昨シーズン中盤からデビューさせ、いきなり大ヒット番組になった、ヒップホップ・ドラマ『エンパイア 成功の代償』(毎週水曜午後9時)。同番組の30CM497,364㌦から521,794㌦と、昨シーズン比一挙に約3割増の値がついたほか、スポーツ番組以外で最も高価な番組に位置づけられることになった。

そして、米テレビ番組の中で3番目に高い番組となったのが、ケーブル局AMCのホラー・ドラマ『ザ・ウォーキング・デッド』(毎週日曜日夜9時)。今季6シーズン目となるが昨年比21.5%増の料金で取引されているという。ケーブル局番組中トップの座を譲らなかった。

 また、今シーズンからお目見えした同番組のスピンオフ番組『フィア・ザ・ウォーキング・デッド』の30秒スポットにいきなり395,000㌦の値が付いたのが特筆される。同料金は全体で4番目にランクされたCBSネットワークのNFL中継番組『サースデーナイト・フットボール(TNF)』(木曜夜午後8時)の462,622㌦-464,625㌦に続く5番目に高い番組にランクされた。

 このほか、スポーツ専門局ESPNが月曜日夜に放送するNFL中継番組『マンデーナイト・フットボール(MNF)』が388,176㌦で6位にランクされたほか、CBSのコメディー番組『ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則』(289,621㌦)、ABCのコメディー番組『モダン・ファミリー』(236,296㌦)などが続いている。

 昨シーズン比最もCM料金の落ち込みを示したのが視聴率低迷から脱しきれない『スリーピー・ホロー』(FOX)の98,000㌦強で50%減。一方、新番組の中で、最も高価なCM料金がついたのがNBCのサスペンス『Blindspot(ブラインドスポット)』で、平均料金209,700㌦で売買されているという。

<テレビ朝日アメリカ 北清>