米国でインターネット利用者の10人に7人がネット配信されるなんらかのビデオ(以下、オンライン・ビデオ)を視聴する見込みだ。米調査会社eMarketer(イーマーケッター)がこのほど発表した予想によれば、2015年にオンライン・ビデオを視聴する人は1億8100万人。その後、緩やかな上昇カーブを描きながら19年には1億9960万人とほぼ2億人に迫る勢いで増え続けていくという。圧倒的な動画配信サービスNetflix(ネットフリックス)やアマゾン・インスタント・ビデオなどの台頭もあるが、主に動画投稿サイトYouTube(ユーチューブ)の根強い人気が寄与していることが分かった。
同社の予想ではユーチューブの視聴者は今年1億7070万人となる見込みで、ネットフリックスの1億1430万人、アマゾンの6520万人、フールーの5990万人を抑えて、人気ナンバーワン・サイトの座を守る。オンライン・ビデオ視聴全体に占めるユーチューブの割合は94.3%(15年)、ネットフリックスが63.2%、これにアマゾンの36%、フールーの33.1%などと続いている。
ちなみに、ネットフリックス利用の成長率は15年に前年比20.4%とピークに達し、16年は同11.1%増、17年6.3%増、18年3.3%増、5年後の19年は2.6%と若干鈍りをみせるという。
一方、オンライン・ビデオの利用時間について同社が発表した別の調査結果では、夜間が最も利用度の高い時間帯であることも明らかになった。アップル社のアイパッドなどタブレット型情報端末を利用したオンライン・ビデオ視聴は午後9時から深夜12時に全体の28%と最も多く、深夜帯の午前0時から3時も17%、午後6時から9時の13%を合わせるとやく6割のオンライン・ビデオ視聴が午後6時以降午前3時までに集中している。
スマートフォンを利用したオンライン・ビデオ視聴も最も活発なのが午後9時から深夜12時までの3時間で全体の19%。ただ、早朝午前6-9時、9-12時、12-午後3時がそれぞれ12%と朝から日中に活発に行われているのが特徴だ。また、パソコンを使ったオンライン・ビデオ視聴で最も多いのがやはり午後9時から深夜12時の17%。ただ、午前中や午後にもそれぞれ16%と、特に活発な視聴時間帯がないのが特徴だ。
年齢別のオンライン・ビデオ視聴状況を見ると、ミレニアル世帯と呼ばれる18-34歳層が圧倒的な利用者だ。2015年には同世代インターネット利用者の92%に相当する7700万人がオンライン・ビデオを視聴するという。